2-14:疑念
ヒロイン
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「ザックス、の?」
ヒロインはからからに干上がった喉に唾を通し、声を絞り出した。
腹筋に力を入れ、声を震わせないように気を付けたが、敏感なエアリスに対しては無駄なことかもしれない。
しかし、エアリスはヒロインのぎこちない態度に気付いた様子を見せなかった。
「――ゴンガガ、ザックスの故郷だったの」
ヒロインは、自身が幼少期を過ごした場所がザックスの故郷だったことに驚いた。
あまり年も違わないはずだ。
もしかしたら、幼い頃に会っていたのだろうか。
「そこで、ザックスのご両親に会って――もう、何年も連絡ないって…」
エアリスの目尻に光るものが浮かんだ。
一瞬、涙のようにも見えたそれは、ヒロインが瞬きをすると消えてなくなった。
「本当、薄情な男だよね」
顔を上げたエアリスは、明るく笑ういつものエアリスだった。
それが余計にヒロインの胸を締め付ける。
ヒロインには、エアリスが無理をしているようにしか見えなかった。
「エアリス、あなた――」
既に何か知っているのではないか、とヒロインは続けようとしたが、聞けなかった。
エアリスを傷つけるのが怖かったからじゃない。
自分が、真実を知るのを恐れたからだった。
「――たまにね、クラウドがザックスに見えるの」
エアリスがおかしそうに笑った。
「不思議でしょ?全然似てないのに」
突拍子もないエアリスの発言に、ヒロインは目を丸くして吹き出した。
「あの二人の性格、正反対じゃない」
「そうだね。そう――本当、不思議。共通点はあるのに…」
「共通点…?」
何か引っ掛かるものを感じ、ヒロインは眉を寄せた。
「うん。二人とも、クラス1stのソルジャー。クラウドは、知らないって言ってたけど」
知らない?
クラウドが、ザックスを?
ヒロインはさらに深く眉間に皺を寄せた。
「ごめん、気にしないで、ヒロイン。誰かに、聞いてもらいたかったの。私、部屋に戻るね」
そう言うと、エアリスはまるで逃げるように部屋を出て行った。
.
ヒロインはからからに干上がった喉に唾を通し、声を絞り出した。
腹筋に力を入れ、声を震わせないように気を付けたが、敏感なエアリスに対しては無駄なことかもしれない。
しかし、エアリスはヒロインのぎこちない態度に気付いた様子を見せなかった。
「――ゴンガガ、ザックスの故郷だったの」
ヒロインは、自身が幼少期を過ごした場所がザックスの故郷だったことに驚いた。
あまり年も違わないはずだ。
もしかしたら、幼い頃に会っていたのだろうか。
「そこで、ザックスのご両親に会って――もう、何年も連絡ないって…」
エアリスの目尻に光るものが浮かんだ。
一瞬、涙のようにも見えたそれは、ヒロインが瞬きをすると消えてなくなった。
「本当、薄情な男だよね」
顔を上げたエアリスは、明るく笑ういつものエアリスだった。
それが余計にヒロインの胸を締め付ける。
ヒロインには、エアリスが無理をしているようにしか見えなかった。
「エアリス、あなた――」
既に何か知っているのではないか、とヒロインは続けようとしたが、聞けなかった。
エアリスを傷つけるのが怖かったからじゃない。
自分が、真実を知るのを恐れたからだった。
「――たまにね、クラウドがザックスに見えるの」
エアリスがおかしそうに笑った。
「不思議でしょ?全然似てないのに」
突拍子もないエアリスの発言に、ヒロインは目を丸くして吹き出した。
「あの二人の性格、正反対じゃない」
「そうだね。そう――本当、不思議。共通点はあるのに…」
「共通点…?」
何か引っ掛かるものを感じ、ヒロインは眉を寄せた。
「うん。二人とも、クラス1stのソルジャー。クラウドは、知らないって言ってたけど」
知らない?
クラウドが、ザックスを?
ヒロインはさらに深く眉間に皺を寄せた。
「ごめん、気にしないで、ヒロイン。誰かに、聞いてもらいたかったの。私、部屋に戻るね」
そう言うと、エアリスはまるで逃げるように部屋を出て行った。
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