2-14:疑念
ヒロイン
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神羅屋敷から戻ったヒロインは、食事も取らずに部屋に入った。
幸い部屋には誰もおらず、ヒロインは一人、窓際の椅子に腰掛け、物思いに耽った。
(サンプルZ…ザックス…)
そして、あの後見つけたもう一方の培養装置のプレートに書かれていた『サンプルC』。
少なくとも二人が、あの地下で人体実験のサンプルになっていた。
(あの識別コード…アルファベット順じゃないわね)
そうなると、やはり頭文字と取るのが自然だろう。
どうしても不吉な連想に至る自分に辟易し、ヒロインは大きな溜息をついた。
「何か、あったの?」
静かな部屋に響いた声に、ヒロインは弾かれたように顔を上げた。
「エアリス…」
ザックスと最も近しい人物の登場に、ヒロインの心拍数が否応なしに上がっていく。
冷や汗をかきながら、ヒロインは強ばる表情をほぐし、笑みを浮かべてみせた。
「ううん、何でもない」
地下で見たことは、絶対誰にも知られてはいけない。
特に、エアリスには。
「そう…ねぇ、ヒロイン。今、少しだけ話、いいかな?」
ヒロインの心臓が、再度大きく脈打った。
普段エアリスから話をしたいということがなかったこともあり、何の話か見当もつかない。
神羅屋敷の話だった場合、上手く誤魔化す自信もない。
それが余計にヒロインの緊張を高めた。
しかし、エアリスの申し出を断る理由もない。
「うん、いいわよ」
ヒロインはエアリスに向かい側に座るように勧めた。
エアリスが近づくと、いつもの彼女らしくない曇った表情であることに気付いた。
エアリスがこんな表情をするということは、やはりザックス絡みの話なのだろう。
ヒロインは心の準備をして、エアリスが話し出すのを待った。
エアリスは話そうかどうしようか、ヒロインを前にしても迷っているようだった。
「エアリス、無理に話さなくても――」
エアリスが首を振った。
「あのね、話…ザックスのことなの」
.
幸い部屋には誰もおらず、ヒロインは一人、窓際の椅子に腰掛け、物思いに耽った。
(サンプルZ…ザックス…)
そして、あの後見つけたもう一方の培養装置のプレートに書かれていた『サンプルC』。
少なくとも二人が、あの地下で人体実験のサンプルになっていた。
(あの識別コード…アルファベット順じゃないわね)
そうなると、やはり頭文字と取るのが自然だろう。
どうしても不吉な連想に至る自分に辟易し、ヒロインは大きな溜息をついた。
「何か、あったの?」
静かな部屋に響いた声に、ヒロインは弾かれたように顔を上げた。
「エアリス…」
ザックスと最も近しい人物の登場に、ヒロインの心拍数が否応なしに上がっていく。
冷や汗をかきながら、ヒロインは強ばる表情をほぐし、笑みを浮かべてみせた。
「ううん、何でもない」
地下で見たことは、絶対誰にも知られてはいけない。
特に、エアリスには。
「そう…ねぇ、ヒロイン。今、少しだけ話、いいかな?」
ヒロインの心臓が、再度大きく脈打った。
普段エアリスから話をしたいということがなかったこともあり、何の話か見当もつかない。
神羅屋敷の話だった場合、上手く誤魔化す自信もない。
それが余計にヒロインの緊張を高めた。
しかし、エアリスの申し出を断る理由もない。
「うん、いいわよ」
ヒロインはエアリスに向かい側に座るように勧めた。
エアリスが近づくと、いつもの彼女らしくない曇った表情であることに気付いた。
エアリスがこんな表情をするということは、やはりザックス絡みの話なのだろう。
ヒロインは心の準備をして、エアリスが話し出すのを待った。
エアリスは話そうかどうしようか、ヒロインを前にしても迷っているようだった。
「エアリス、無理に話さなくても――」
エアリスが首を振った。
「あのね、話…ザックスのことなの」
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