2-13:欠落
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ヒロインは壁に手を付きながら、慎重に階段を下りていった。
木製の階段は所々腐敗していたため、ヒロインは下を向き、一段一段確認しながら歩を進めた。
(何か…嫌な感じがする…)
得体の知れないものが体内を這いずり回るような感覚に吐き気を覚え、ヒロインは堪らず口を押さえて蹲った。
(前にも、あった?)
それは、まさにこの場所で起こったのではなかったか。
はっとしたヒロインは、上を見上げた。
薄暗い中、一部白く明るい部分――それを目指して、上った?
そこが出口だと信じて。
先ほど感じた違和感の正体に、ヒロインは愕然とした。
「下りたんじゃない…」
――おやすみ、ヒロイン
頬にあてがわれたセフィロスの手は、氷のように冷たかった。
――お前はここで、私を待てばいい
「この階段を、上った…」
――その美しい姿のままで
そう言い残し、セフィロスは去った。
それと同時に、ヒロインの意識もなくなった。
「まさか…あの後ずっとここに…?」
ヒロインは立ち上がると、階段を駆け下りた。
螺旋階段を下りると、そこは地下室というよりは、洞窟だった。
剥き出しの地肌に、申し訳程度に証明器具が取り付けられている以外は、特に手を入れた様子はない。
暗くじめじめした陰気な洞窟を、ヒロインは駆り立てられるように足早に進んだ。
洞窟はほぼ一本道で、ヒロインは脇目も振らず奥へと向かった。
洞窟の突き当たりに、人工的に整えられた入口と明かりを見たヒロインは、手前で足を止めた。
わずかだが話し声も聞こえる。
(セフィロス…!)
壁の向こうから確かにセフィロスの気配と視線を感じる。
セフィロスは自分がここにいることに気付いている。
今更逃げ出すわけにもいかない。
ヒロインは一度深呼吸し、中に踏み込んだ。
.
木製の階段は所々腐敗していたため、ヒロインは下を向き、一段一段確認しながら歩を進めた。
(何か…嫌な感じがする…)
得体の知れないものが体内を這いずり回るような感覚に吐き気を覚え、ヒロインは堪らず口を押さえて蹲った。
(前にも、あった?)
それは、まさにこの場所で起こったのではなかったか。
はっとしたヒロインは、上を見上げた。
薄暗い中、一部白く明るい部分――それを目指して、上った?
そこが出口だと信じて。
先ほど感じた違和感の正体に、ヒロインは愕然とした。
「下りたんじゃない…」
――おやすみ、ヒロイン
頬にあてがわれたセフィロスの手は、氷のように冷たかった。
――お前はここで、私を待てばいい
「この階段を、上った…」
――その美しい姿のままで
そう言い残し、セフィロスは去った。
それと同時に、ヒロインの意識もなくなった。
「まさか…あの後ずっとここに…?」
ヒロインは立ち上がると、階段を駆け下りた。
螺旋階段を下りると、そこは地下室というよりは、洞窟だった。
剥き出しの地肌に、申し訳程度に証明器具が取り付けられている以外は、特に手を入れた様子はない。
暗くじめじめした陰気な洞窟を、ヒロインは駆り立てられるように足早に進んだ。
洞窟はほぼ一本道で、ヒロインは脇目も振らず奥へと向かった。
洞窟の突き当たりに、人工的に整えられた入口と明かりを見たヒロインは、手前で足を止めた。
わずかだが話し声も聞こえる。
(セフィロス…!)
壁の向こうから確かにセフィロスの気配と視線を感じる。
セフィロスは自分がここにいることに気付いている。
今更逃げ出すわけにもいかない。
ヒロインは一度深呼吸し、中に踏み込んだ。
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