2-13:欠落
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中に入った途端、埃と黴の匂いが鼻を突いた。
ヒロインは手で口と鼻を覆った。
床は埃で白く、歩を進めるたびにそれが舞い上がる。
ヒロインはできるだけ深く息を吸わないように気を付け、エントランスの中央まで歩を進めた。
広いエントランスの奥に二階へ続く階段と扉、左右にも扉がある。
しかし、扉は開けられた様子はない。
「二階…?」
ヒロインは階段に視線を走らせた。
そこには、幾人分かの真新しい足跡があった。
自分と同じぐらいの足跡と、それより一回り大きい足跡が判別できた。
少なくとも二人、今この屋敷にいる。
「クラウドたちなの?」
ヒロインは真っ直ぐ二階へ向かっている足跡を追った。
階段を上がって突き当たりを右に進むと、正面の扉が開いていた。
ヒロインはホルスターから銃を抜き、音を立てずに安全装置を外した。
一呼吸置いてから、一気に扉まで距離を詰める。
壁に背を預け、わずかに開いた扉の隙間から様子を伺った。
人の気配はない。
外観から察するに、この部屋が最奥に位置するはずだ。
足跡がこの部屋に続いていて、部屋に気配がないということは――
ヒロインの脳裏に最悪の結果がよぎる。
ヒロインは頭を振って嫌な想像を追い払った。
細く息を吐き出し、銃を握り直したヒロインは、左手で扉を押し、部屋の中に飛び込んだ。
「…何、これ…」
部屋の奥で、隠されていた道が口を開けていた。
何とも表現しがたい嫌な空気がそこから流れている。
ヒロインはそこから目が離せなかった。
「私…知ってる?」
断片的な記憶に重なる目の前の風景。
でも、どこか違和感がある。
「地下から続く階段…」
ヒロインは崩れた壁の穴に駆け寄り、中を覗き込んだ。
思った通り、螺旋状の階段が下に向かって伸びている。
ヒロインは迷わず穴の中に入った。
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ヒロインは手で口と鼻を覆った。
床は埃で白く、歩を進めるたびにそれが舞い上がる。
ヒロインはできるだけ深く息を吸わないように気を付け、エントランスの中央まで歩を進めた。
広いエントランスの奥に二階へ続く階段と扉、左右にも扉がある。
しかし、扉は開けられた様子はない。
「二階…?」
ヒロインは階段に視線を走らせた。
そこには、幾人分かの真新しい足跡があった。
自分と同じぐらいの足跡と、それより一回り大きい足跡が判別できた。
少なくとも二人、今この屋敷にいる。
「クラウドたちなの?」
ヒロインは真っ直ぐ二階へ向かっている足跡を追った。
階段を上がって突き当たりを右に進むと、正面の扉が開いていた。
ヒロインはホルスターから銃を抜き、音を立てずに安全装置を外した。
一呼吸置いてから、一気に扉まで距離を詰める。
壁に背を預け、わずかに開いた扉の隙間から様子を伺った。
人の気配はない。
外観から察するに、この部屋が最奥に位置するはずだ。
足跡がこの部屋に続いていて、部屋に気配がないということは――
ヒロインの脳裏に最悪の結果がよぎる。
ヒロインは頭を振って嫌な想像を追い払った。
細く息を吐き出し、銃を握り直したヒロインは、左手で扉を押し、部屋の中に飛び込んだ。
「…何、これ…」
部屋の奥で、隠されていた道が口を開けていた。
何とも表現しがたい嫌な空気がそこから流れている。
ヒロインはそこから目が離せなかった。
「私…知ってる?」
断片的な記憶に重なる目の前の風景。
でも、どこか違和感がある。
「地下から続く階段…」
ヒロインは崩れた壁の穴に駆け寄り、中を覗き込んだ。
思った通り、螺旋状の階段が下に向かって伸びている。
ヒロインは迷わず穴の中に入った。
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