2-13:欠落
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「ごめんください」
ティファがドアをノックした。
しかし返事がない。
もう一度ノックしようとティファが手をドアに近付けた瞬間、僅かにドアが開けられた。
「…何か?」
ドアの隙間から見えた中年の女性は、明らかに見知らぬ相手を警戒していた。
昔、自分が住んでいた家から他人が出てきた驚きで、言葉を失ったティファに代わり、ヒロインが応対した。
「あの、ティファさんに会いに来たんですけど」
ヒロインはにっこり笑って尋ねた。
その途端、見た目に分かるほど女性の顔が引きつる。
慌てて言葉を探しているのか、女性がそわそわと視線を動かした。
ヒロインは考える暇を与えまいと、矢継ぎ早に質問した。
「こちらに住んでるはずなんですが…あ、もしかして出かけてるんですか?」
ヒロインはわざと女性に助け船を出す形で質問をした。
すると、女性は案の定表情を和らげ、一転してにこやかな笑みを浮かべた。
「えぇ、そうなのよ。今友達と旅行に行ってるから、しばらく戻らないの」
「そうですか。じゃあまた改めて伺います」
曖昧な笑みを浮かべた女性は、ヒロインが背を向けると慌てた様子で扉を閉めた。
困惑した表情のティファを促し、ヒロインは給水塔の前まで戻った。
「ここが作られてから住み始めたみたいね」
ヒロインは振り返り、先程の家を見た。
二階の窓から誰かがこちらの様子を伺っている。
「嘘をついてまで誤魔化したいことがあるみたいだな」
クラウドもヒロインと同じように二階を見上げた。
「たぶん、村が燃えたという事実を、ね」
村を作り直すようなことをするのは、神羅以外に考えられない。
「…今日はここに泊まろう」
「でも…」
早くニブルヘイムを離れたがったティファは嫌がったが、山越えをするには時間が遅すぎる。
諦めた様子のティファを連れ、クラウドを先頭に宿に向かう中、ヒロインは足を止めた。
「先に宿に行ってて。後から行くわ」
「え、ヒロインは…?」
振り返ったユフィが目を丸くした。
「私は――行くところがあるの」
そう言ってヒロインはニブル山を見上げた。
.
ティファがドアをノックした。
しかし返事がない。
もう一度ノックしようとティファが手をドアに近付けた瞬間、僅かにドアが開けられた。
「…何か?」
ドアの隙間から見えた中年の女性は、明らかに見知らぬ相手を警戒していた。
昔、自分が住んでいた家から他人が出てきた驚きで、言葉を失ったティファに代わり、ヒロインが応対した。
「あの、ティファさんに会いに来たんですけど」
ヒロインはにっこり笑って尋ねた。
その途端、見た目に分かるほど女性の顔が引きつる。
慌てて言葉を探しているのか、女性がそわそわと視線を動かした。
ヒロインは考える暇を与えまいと、矢継ぎ早に質問した。
「こちらに住んでるはずなんですが…あ、もしかして出かけてるんですか?」
ヒロインはわざと女性に助け船を出す形で質問をした。
すると、女性は案の定表情を和らげ、一転してにこやかな笑みを浮かべた。
「えぇ、そうなのよ。今友達と旅行に行ってるから、しばらく戻らないの」
「そうですか。じゃあまた改めて伺います」
曖昧な笑みを浮かべた女性は、ヒロインが背を向けると慌てた様子で扉を閉めた。
困惑した表情のティファを促し、ヒロインは給水塔の前まで戻った。
「ここが作られてから住み始めたみたいね」
ヒロインは振り返り、先程の家を見た。
二階の窓から誰かがこちらの様子を伺っている。
「嘘をついてまで誤魔化したいことがあるみたいだな」
クラウドもヒロインと同じように二階を見上げた。
「たぶん、村が燃えたという事実を、ね」
村を作り直すようなことをするのは、神羅以外に考えられない。
「…今日はここに泊まろう」
「でも…」
早くニブルヘイムを離れたがったティファは嫌がったが、山越えをするには時間が遅すぎる。
諦めた様子のティファを連れ、クラウドを先頭に宿に向かう中、ヒロインは足を止めた。
「先に宿に行ってて。後から行くわ」
「え、ヒロインは…?」
振り返ったユフィが目を丸くした。
「私は――行くところがあるの」
そう言ってヒロインはニブル山を見上げた。
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