2-13:欠落
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休憩を終え、再びバギーに分乗した一行の口数は次第に減っていった。
故郷を失ったクラウドとティファに気を遣っていたのだろう。
ヒロインも先程一瞬浮かんだ『場所』を思い出していた。
(きっとあれは、あの後の記憶)
セフィロスに助けられ、研究員を看取った後――欠けた5年間の記憶の一部。
(どこ?どこにいたの?)
目を閉じることで外界から受ける刺激を排除し、必死にそれだけを見ようとしたが、近づくほどに遠くなる。
ただ、一つだけヒロインの疑問に答えが出た。
(世界中を転々としていたこの記憶は、私のものじゃない)
ヒロインは目を開けた。
そのヒロインの目に、知った景色が飛び込んできた。
「ニブルヘイム――」
ヒロインは膝の上で握りこぶしを作った。
一行はバギーを停め、村の入口に立った。
「クラウド、これ――」
ティファの声が震えていた。
顔も青白い。
「あぁ、確かにあの時…燃えたはずだ」
しかし、村にはそんな痕跡など見当たらない。
茫然と村を見つめる二人の横を通り過ぎ、ヒロインは無言で村に入った。
(あの時と同じ…)
村を抜け、白の研究所に向かったあの時と。
「でも、何か不自然…」
言葉にできない違和感が、そこにはあった。
「なぁ、本当に燃えたのか?」
バレットがクラウドに問うた。
「あぁ。俺は覚えてる…あの炎の熱さを――」
村の中心部まで行くと、そこには給水塔があった。
ペンキが剥げ、錆びた給水塔は、少なくともここ数年の内に作られたようには見えなかった。
「確かに、燃えたのに――」
ティファは口元を押さえ、かたかたと震えていた。
が、はっとしたように顔を上げた。
「家!私たちが住んでた家に行ってみましょう!」
そう言うや否や、ティファが少し小高くなった丘の上に立つ家に走って行った。
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故郷を失ったクラウドとティファに気を遣っていたのだろう。
ヒロインも先程一瞬浮かんだ『場所』を思い出していた。
(きっとあれは、あの後の記憶)
セフィロスに助けられ、研究員を看取った後――欠けた5年間の記憶の一部。
(どこ?どこにいたの?)
目を閉じることで外界から受ける刺激を排除し、必死にそれだけを見ようとしたが、近づくほどに遠くなる。
ただ、一つだけヒロインの疑問に答えが出た。
(世界中を転々としていたこの記憶は、私のものじゃない)
ヒロインは目を開けた。
そのヒロインの目に、知った景色が飛び込んできた。
「ニブルヘイム――」
ヒロインは膝の上で握りこぶしを作った。
一行はバギーを停め、村の入口に立った。
「クラウド、これ――」
ティファの声が震えていた。
顔も青白い。
「あぁ、確かにあの時…燃えたはずだ」
しかし、村にはそんな痕跡など見当たらない。
茫然と村を見つめる二人の横を通り過ぎ、ヒロインは無言で村に入った。
(あの時と同じ…)
村を抜け、白の研究所に向かったあの時と。
「でも、何か不自然…」
言葉にできない違和感が、そこにはあった。
「なぁ、本当に燃えたのか?」
バレットがクラウドに問うた。
「あぁ。俺は覚えてる…あの炎の熱さを――」
村の中心部まで行くと、そこには給水塔があった。
ペンキが剥げ、錆びた給水塔は、少なくともここ数年の内に作られたようには見えなかった。
「確かに、燃えたのに――」
ティファは口元を押さえ、かたかたと震えていた。
が、はっとしたように顔を上げた。
「家!私たちが住んでた家に行ってみましょう!」
そう言うや否や、ティファが少し小高くなった丘の上に立つ家に走って行った。
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