2-13:欠落
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一行はコスモキャニオンを後にした。
てっきりレッド13は残るものと思われたが、ブーゲンハーゲンの代わりに星の行く末を見届けるために旅を続けることになった。
修理したバギーの調子はよく、旅は順調に進んだ。
砂と埃を巻き上げる渓谷の乾いた風には相変わらずうんざりさせられたが、それもわずかな間だった。
渓谷の先には草原が広がっていた。
川も近くに見える。
「休憩しようよ…」
乗り物酔いを必死で我慢していたユフィが訴え、川辺で一度休憩を取ることになった。
ヒロインは気分の悪そうなユフィを空気のいい川原に連れていった。
蹲り、今にも吐きそうなユフィの背中を撫でてやる。
「大丈夫?」
「うん…少し、よくなった」
まだ青い顔をしたユフィに無理をしないように言い、ヒロインはバギーに飲み物を取りに戻った。
「クラウド、この先って――」
「あぁ、ニブルヘイムだ」
ティファとクラウドの会話を耳にしたヒロインは、身体を固くした。
(ニブルヘイム…)
嫌な記憶が甦る。
白の研究所。
実験。
崩壊。
レノとの別れ。
研究員の死。
セフィロス。
冷たく暗い、どこか。
(あれは…どこ?)
突然脳裏に浮かんだ場所をもっとよく見ようと、ヒロインは目を見開いた。
その途端、ガシャン!と何かが割れる音がした。
「ヒロイン!」
エアリスの驚いた声でヒロインは我に返った。
手にしていたはずの缶がいつの間にか手から滑り落ち、地面に落ちて凹んでいた。
「どうしたの?――顔色、悪いよ」
「な、何でもない…」
エアリスに顔を覗き込まれたヒロインは、咄嗟に顔を背けた。
(私、ずっとあの場所で待ってた…?)
――時が来たならば、迎えに行く
セフィロスの言葉が、頭にこだました。
.
てっきりレッド13は残るものと思われたが、ブーゲンハーゲンの代わりに星の行く末を見届けるために旅を続けることになった。
修理したバギーの調子はよく、旅は順調に進んだ。
砂と埃を巻き上げる渓谷の乾いた風には相変わらずうんざりさせられたが、それもわずかな間だった。
渓谷の先には草原が広がっていた。
川も近くに見える。
「休憩しようよ…」
乗り物酔いを必死で我慢していたユフィが訴え、川辺で一度休憩を取ることになった。
ヒロインは気分の悪そうなユフィを空気のいい川原に連れていった。
蹲り、今にも吐きそうなユフィの背中を撫でてやる。
「大丈夫?」
「うん…少し、よくなった」
まだ青い顔をしたユフィに無理をしないように言い、ヒロインはバギーに飲み物を取りに戻った。
「クラウド、この先って――」
「あぁ、ニブルヘイムだ」
ティファとクラウドの会話を耳にしたヒロインは、身体を固くした。
(ニブルヘイム…)
嫌な記憶が甦る。
白の研究所。
実験。
崩壊。
レノとの別れ。
研究員の死。
セフィロス。
冷たく暗い、どこか。
(あれは…どこ?)
突然脳裏に浮かんだ場所をもっとよく見ようと、ヒロインは目を見開いた。
その途端、ガシャン!と何かが割れる音がした。
「ヒロイン!」
エアリスの驚いた声でヒロインは我に返った。
手にしていたはずの缶がいつの間にか手から滑り落ち、地面に落ちて凹んでいた。
「どうしたの?――顔色、悪いよ」
「な、何でもない…」
エアリスに顔を覗き込まれたヒロインは、咄嗟に顔を背けた。
(私、ずっとあの場所で待ってた…?)
――時が来たならば、迎えに行く
セフィロスの言葉が、頭にこだました。
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