2-13:欠落
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本社からやってきたヘリに乗り、レノたちはミッドガルに向かっていた。
天候は穏やかで、揺れも少ない。
規則正しく左右に揺れるヘリの座席に身体を預けていると、まるで揺りかごに乗せられているような気分になる。
イリーナは疾うに眠りに落ちた。
ルードも眠っているようだ。
レノは一人ぼんやり窓の外を眺めていた。
(ニブルヘイム、か)
レノが最後に行ったとき、そこは焼け野原だった。
その後、神羅はセフィロスが起こした事件を隠蔽しようと村をわざわざ作り直した。
今そこに住んでいるのは神羅の社員だ。
形だけ似せ、日常を再現しただけの虚構の村。
嘘と偽りで出来た茶番劇の舞台。
ヒロインはそこで何を思うのだろう。
研究員を思い、涙を流すのだろうか。
(あいつは、まだ知らないんだったな…)
ザックスが死んだことを。
4年間神羅屋敷で実験サンプルとして過ごし、ミッドガルを目前に非業の死を遂げたことを。
「あの時も、ヘリに乗ってたな――」
ミッドガルの周辺に広がる荒野。
その上空を旋回しながら、ザックスを探した。
焦る気持ちとは裏腹に時間だけが過ぎていく。
そして、近郊の丘から撤収する神羅軍を見つけたとき、全て終わったのだと知らされた。
「嫌なこと、思い出しちまったな」
レノは窓の外を見るのを止め、目を閉じた。
(もう何かを無くすのはまっぴらだ)
無くすのが嫌だから、自分から捨てる。
その方が傷が浅くて済む。
(ヒロインのことも――)
あんなに思っていたのに。
あんなに愛していたのに。
通わぬ思いなら、必要ない。
追い掛けるのは、もう疲れた。
だから、いつものように切り捨てればいい。
それなのに――
(どうしてこんなに苦しいんだ?)
レノは物憂げに息を吐き出した。
.
天候は穏やかで、揺れも少ない。
規則正しく左右に揺れるヘリの座席に身体を預けていると、まるで揺りかごに乗せられているような気分になる。
イリーナは疾うに眠りに落ちた。
ルードも眠っているようだ。
レノは一人ぼんやり窓の外を眺めていた。
(ニブルヘイム、か)
レノが最後に行ったとき、そこは焼け野原だった。
その後、神羅はセフィロスが起こした事件を隠蔽しようと村をわざわざ作り直した。
今そこに住んでいるのは神羅の社員だ。
形だけ似せ、日常を再現しただけの虚構の村。
嘘と偽りで出来た茶番劇の舞台。
ヒロインはそこで何を思うのだろう。
研究員を思い、涙を流すのだろうか。
(あいつは、まだ知らないんだったな…)
ザックスが死んだことを。
4年間神羅屋敷で実験サンプルとして過ごし、ミッドガルを目前に非業の死を遂げたことを。
「あの時も、ヘリに乗ってたな――」
ミッドガルの周辺に広がる荒野。
その上空を旋回しながら、ザックスを探した。
焦る気持ちとは裏腹に時間だけが過ぎていく。
そして、近郊の丘から撤収する神羅軍を見つけたとき、全て終わったのだと知らされた。
「嫌なこと、思い出しちまったな」
レノは窓の外を見るのを止め、目を閉じた。
(もう何かを無くすのはまっぴらだ)
無くすのが嫌だから、自分から捨てる。
その方が傷が浅くて済む。
(ヒロインのことも――)
あんなに思っていたのに。
あんなに愛していたのに。
通わぬ思いなら、必要ない。
追い掛けるのは、もう疲れた。
だから、いつものように切り捨てればいい。
それなのに――
(どうしてこんなに苦しいんだ?)
レノは物憂げに息を吐き出した。
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