2-12:決別
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
レノは車に乗り込むと沈黙を保った。
イリーナはいろいろと聞きたそうにしていたが、レノが話す気がないことを知るとおとなしくしていた。
車を運転するルードもバックミラー越しに視線を投げてきたが、レノは無視を決め込んだ。
今は誰とも話したくなかった。
特にヒロインに関することは。
思い出すとまた辛くなる。
嫌なことは忘れてしまえばいい。
ヒロインが自分を拒絶したことも、ヒロインを傷つけたことも。
そして、ヒロインを愛していたことも。
レノは自分の気持ちに無理矢理決着を付け、長い息を吐き出した。
(全部、終わったんだ…)
心は決して晴れなかったが、レノは無理にでも違うことを考え始めることにした。
そこでレノの脳裏に過ったのは、クラウドの剣だった。
(そう、クラウドが持っていたあの剣――)
「なぁルード、ザックスの剣覚えてるか?」
一瞬不可解そうに眉をひそめたルードだったが、レノの問いに頷いた。
「あぁ。先輩のソルジャーから受け継いだと言っていたな」
「クラウドが持ってたんだ」
ルードが目を見張った。
「確かか?」
「あぁ。さっき至近距離で見たからな――どういうことだろうな、と」
レノは思案に耽ろうと、タバコに火を点けた。
ルードもそのまま押し黙った。
そこへ、一人会話に付いていけなかったイリーナが恐る恐る口を挟んだ。
「あの、ザックスって…」
「俺の連れ、だった奴だぞ、と」
嫌な記憶を引き摺り出したレノは、自然と眉根を寄せていた。
「だった、ってことは――」
「神羅兵に撃たれて死んだ」
と、レノは素っ気なく言った。
「すみません。余計なことを聞きました」
イリーナが申し訳なさそうに顔を伏せた。
「いや…」
レノは短く答えると、視線を反らした。
寸でのところで間に合わなかった。
もう少し発見が早ければ、助けられたのだろうか。
大事なものは自分の指の隙間から零れ落ちていき、一人取り残される。
いつもそうだ。
何もかも遅い。
レノは深く吸い込んだ煙を一気に吐き出した。
.
イリーナはいろいろと聞きたそうにしていたが、レノが話す気がないことを知るとおとなしくしていた。
車を運転するルードもバックミラー越しに視線を投げてきたが、レノは無視を決め込んだ。
今は誰とも話したくなかった。
特にヒロインに関することは。
思い出すとまた辛くなる。
嫌なことは忘れてしまえばいい。
ヒロインが自分を拒絶したことも、ヒロインを傷つけたことも。
そして、ヒロインを愛していたことも。
レノは自分の気持ちに無理矢理決着を付け、長い息を吐き出した。
(全部、終わったんだ…)
心は決して晴れなかったが、レノは無理にでも違うことを考え始めることにした。
そこでレノの脳裏に過ったのは、クラウドの剣だった。
(そう、クラウドが持っていたあの剣――)
「なぁルード、ザックスの剣覚えてるか?」
一瞬不可解そうに眉をひそめたルードだったが、レノの問いに頷いた。
「あぁ。先輩のソルジャーから受け継いだと言っていたな」
「クラウドが持ってたんだ」
ルードが目を見張った。
「確かか?」
「あぁ。さっき至近距離で見たからな――どういうことだろうな、と」
レノは思案に耽ろうと、タバコに火を点けた。
ルードもそのまま押し黙った。
そこへ、一人会話に付いていけなかったイリーナが恐る恐る口を挟んだ。
「あの、ザックスって…」
「俺の連れ、だった奴だぞ、と」
嫌な記憶を引き摺り出したレノは、自然と眉根を寄せていた。
「だった、ってことは――」
「神羅兵に撃たれて死んだ」
と、レノは素っ気なく言った。
「すみません。余計なことを聞きました」
イリーナが申し訳なさそうに顔を伏せた。
「いや…」
レノは短く答えると、視線を反らした。
寸でのところで間に合わなかった。
もう少し発見が早ければ、助けられたのだろうか。
大事なものは自分の指の隙間から零れ落ちていき、一人取り残される。
いつもそうだ。
何もかも遅い。
レノは深く吸い込んだ煙を一気に吐き出した。
.