2-12:決別
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――約束だ。
あの時セフィロスは確かに言った。
――お前は母を受け入れる『器』。
ヒロインは目を開いた。
そして、真っ暗な闇の中で唯一光を放つ銀髪の青年を見つけた。
「ようやく約束を守る気になってくれたようだな」
にやりと笑ったセフィロスに、ヒロインは不快感を顕にした。
「約束?あなたは私との約束を守らなかった」
研究員を忘れたい。
それが交換条件だった。
セフィロスが鼻で笑った。
ヒロインはセフィロスの態度に、ますます顔を険しくした。
「研究員は――死んだはずよ」
「死して星に還ったもの――それは私の一部」
セフィロスの身体が一段と強い光に包まれる。
ヒロインは反射的に手をかざしたが、視線は決してセフィロスから離さなかった。
光が収まり、再び暗闇に慣れたヒロインの目に映ったのは研究員だった。
「嘘…」
目の前で起きたことに思考がついていかない。
混乱するヒロインに研究員が優しく微笑んだ。
「ねぇ、ヒロイン。ずっと一緒にいよう」
真っ直ぐ伸ばされた手をヒロインはきっと睨み、拒絶した。
「そうやって、研究員を利用したのね…!」
怒りでヒロインの身体がわなわなと震え出す。
「死者を――研究員を冒涜しないで!」
「俺を、否定するの?」
研究員が悲しげに目を伏せた。
研究員ではないとわかっているのに、ヒロインの心が軋む。
「ヒロインが、望んだのに?」
「…そう、私が研究員を求めた。でも――」
ヒロインは顔を上げ、真っ直ぐ研究員を見た。
「あなたは研究員じゃない」
そう断言したヒロインの言葉に迷いはなかった。
研究員の姿を模した何かは、にやっと笑うと闇に溶けた。
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あの時セフィロスは確かに言った。
――お前は母を受け入れる『器』。
ヒロインは目を開いた。
そして、真っ暗な闇の中で唯一光を放つ銀髪の青年を見つけた。
「ようやく約束を守る気になってくれたようだな」
にやりと笑ったセフィロスに、ヒロインは不快感を顕にした。
「約束?あなたは私との約束を守らなかった」
研究員を忘れたい。
それが交換条件だった。
セフィロスが鼻で笑った。
ヒロインはセフィロスの態度に、ますます顔を険しくした。
「研究員は――死んだはずよ」
「死して星に還ったもの――それは私の一部」
セフィロスの身体が一段と強い光に包まれる。
ヒロインは反射的に手をかざしたが、視線は決してセフィロスから離さなかった。
光が収まり、再び暗闇に慣れたヒロインの目に映ったのは研究員だった。
「嘘…」
目の前で起きたことに思考がついていかない。
混乱するヒロインに研究員が優しく微笑んだ。
「ねぇ、ヒロイン。ずっと一緒にいよう」
真っ直ぐ伸ばされた手をヒロインはきっと睨み、拒絶した。
「そうやって、研究員を利用したのね…!」
怒りでヒロインの身体がわなわなと震え出す。
「死者を――研究員を冒涜しないで!」
「俺を、否定するの?」
研究員が悲しげに目を伏せた。
研究員ではないとわかっているのに、ヒロインの心が軋む。
「ヒロインが、望んだのに?」
「…そう、私が研究員を求めた。でも――」
ヒロインは顔を上げ、真っ直ぐ研究員を見た。
「あなたは研究員じゃない」
そう断言したヒロインの言葉に迷いはなかった。
研究員の姿を模した何かは、にやっと笑うと闇に溶けた。
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