2-11:孤独
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クラウドの背に庇われたヒロインは、まるで人形のようだった。
その顔は真っ白で、何の感情も浮かべていなかった。
だらりと下がった両腕も、まるで糸が切れているかのようだった。
「ヒロイン!」
レノは思わず叫んでいた。
しかし、ヒロインはぴくりとも反応しなかった。
「え…ヒロイン…?」
これにはクラウドたちも慌てる。
隣にいたユフィがヒロインの身体を揺するが、ぐらぐらと身体が揺れるだけで、ヒロインは全く表情を変えなかった。
「あぁ、閉じてしまったみたいですね」
研究員が面白そうに笑う。
「ヒロインの心」
研究員がこちらを向いて、口の端を持ち上げた。
「それとも――捨ててしまったのかな」
研究員の視線を受けても、レノは睨み返すことができなかった。
(俺のせいで…)
自責の念で押し潰されそうだった。
レノは唇を噛み、研究員に向けていたロッドを下ろした。
「ちょっと!一体なんなのさ!?」
わけがわからないと、ユフィがレノたちと研究員を交互に見る。
すると、研究員が作ったような笑顔で答えた。
「俺の敵は、あなたたちと同じです」
研究員の得体の知れない不気味な気に充てられ、ユフィが一歩下がる。
「――さぁ、ヒロイン」
研究員がヒロインに手を差し伸べた。
「――けて」
「ヒロイン…?」
レノの呼び掛けには反応すらしなかったヒロインが、何か言葉を発した。
初めは小さく囁かれた言葉は、何度も繰り返されるうちに確かな思いを乗せた。
「助けて――もう、一人は嫌…一人にしないで――!」
ヒロインが研究員に向かって足を踏み出した。
ゆっくりと、しかし確かにヒロインの腕が研究員に向かって伸びる。
「ヒロイン!やめろ!」
レノはヒロインを止めようと駆け出す。
レノの声に反応し、ほんの一瞬向けられたヒロインの目に、レノは映っていなかった。
そこにいたのは研究員ただ一人。
「ヒロイン!」
レノの叫びも虚しく、ヒロインと研究員は忽然と姿を消した。
To be continued...
2007/12/10
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その顔は真っ白で、何の感情も浮かべていなかった。
だらりと下がった両腕も、まるで糸が切れているかのようだった。
「ヒロイン!」
レノは思わず叫んでいた。
しかし、ヒロインはぴくりとも反応しなかった。
「え…ヒロイン…?」
これにはクラウドたちも慌てる。
隣にいたユフィがヒロインの身体を揺するが、ぐらぐらと身体が揺れるだけで、ヒロインは全く表情を変えなかった。
「あぁ、閉じてしまったみたいですね」
研究員が面白そうに笑う。
「ヒロインの心」
研究員がこちらを向いて、口の端を持ち上げた。
「それとも――捨ててしまったのかな」
研究員の視線を受けても、レノは睨み返すことができなかった。
(俺のせいで…)
自責の念で押し潰されそうだった。
レノは唇を噛み、研究員に向けていたロッドを下ろした。
「ちょっと!一体なんなのさ!?」
わけがわからないと、ユフィがレノたちと研究員を交互に見る。
すると、研究員が作ったような笑顔で答えた。
「俺の敵は、あなたたちと同じです」
研究員の得体の知れない不気味な気に充てられ、ユフィが一歩下がる。
「――さぁ、ヒロイン」
研究員がヒロインに手を差し伸べた。
「――けて」
「ヒロイン…?」
レノの呼び掛けには反応すらしなかったヒロインが、何か言葉を発した。
初めは小さく囁かれた言葉は、何度も繰り返されるうちに確かな思いを乗せた。
「助けて――もう、一人は嫌…一人にしないで――!」
ヒロインが研究員に向かって足を踏み出した。
ゆっくりと、しかし確かにヒロインの腕が研究員に向かって伸びる。
「ヒロイン!やめろ!」
レノはヒロインを止めようと駆け出す。
レノの声に反応し、ほんの一瞬向けられたヒロインの目に、レノは映っていなかった。
そこにいたのは研究員ただ一人。
「ヒロイン!」
レノの叫びも虚しく、ヒロインと研究員は忽然と姿を消した。
To be continued...
2007/12/10
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