買い物から帰ってきた二人は、四苦八苦しながら何とか大量の荷物を運び終えた。



　青かった空も、いつのまにか西の空に赤みを残すのみになっていた。




　家具屋では機嫌よく、ヒロインの家具選びに付き合っていたレノだったが、慣れないことをしたのもあって、帰ってくるとどっと疲れがやってきた。



　なりふり構わずソファに倒れこむ。




（さすがに疲れたな…）




　広いソファに寝転がって、一人でそれを占領する。



　ソファの肘置きに頭を乗せ、右腕を額に置いた体勢で身体の力を抜くと、自然に目蓋が重くなってきた。




（昨日はほとんど寝てなかったからな…）




　だんだん意識がなくなるのを感じながら、レノは眠りに落ちていった。

























「終わった！」



　ヒロインの声と、ぱたぱたとこっちに近づいてくる足音が聞こえた。




「あ、寝てる…」




　遠ざかる足音。




　しばらくしてまた足音が近づいてきたと思ったら、身体に何かが掛けられた。




　半覚醒状態の頭で、ヒロインが掛けてくれたのだろうと考える。




　ありがとうなと呟くと、手を伸ばし、ヒロインの髪に触れる。






　髪を撫でてやりながら、その上質な絹糸のような髪を指に絡めたりして弄ぶ。






　うっすら目を開けると、隣に寄り添い、優しい笑みを浮かべたヒロインの顔があった。







　目が合うと、より一層柔らかな笑顔でヒロインが微笑んだ。








　レノもヒロインに笑顔で応える。












「レノ。今日はありがとう」







　いとおしさを込めて髪を撫でていた手で、レノはヒロインの頬に触れる。








　ヒロインがくすぐったそうに顎を引いた。









　レノは無意識にヒロインの柔らかい唇に触れる。








　ゆっくりと唇をなぞり終えると、手を顎、首、鎖骨と下へ動かしていく。







　ヒロインの頬が朱に染まる。








　レノの手が胸元に差し掛かったとき、されるがままだったヒロインがレノの手を制し、両手で包み込んだ。







　そして。









　誘われるがまま、ヒロインはレノに唇を寄せ。












（あぁ、これは夢だな）















　ヒロインの吐息を間近に感じながら、レノは目を閉じた。



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