2-11:孤独
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クラウドたちがゴンガガに向かうとの情報を得たレノたちは、先回りするために一足早くゴールドソーサーを出立した。
レノは窓を開け、後部座席でタバコを吸っていた。
ときたま様子を伺うようにイリーナが視線を送ってきていたが、レノは無視を決め込んだ。
今は誰とも話したくない。
吹かしたタバコの煙がゆらゆらと窓から出て、後方に流れていった。
ゴンガガに到着したレノたちは、村へ続く唯一の道に陣取り、クラウドたちを待ち伏せすることにした。
3人が車を降りたとき、耳に入れていた小型イヤホンから音声が流れてきた。
3人の顔つきが変わる。
『もう会えないと思っていた人に会って、大切な人を裏切って無くした――それだけよ』
イヤホンから聞こえたのはヒロインの声だった。
何の感情も、抑揚もない無機質な音声。
本当に人間が話したのか疑ってしまうほど、そこには感情の類を一切感じさせなかった。
ヒロインがすっかり様子を変えてしまった原因が自分であることは間違いない。
レノは激しい眩暈を感じ、目の前が真っ暗になった。
さらに会話は続く。
『ほんまは寂しいんとちゃいますか?』
『――よく、わからない』
そこで会話は途切れた。
しかし、レノの耳にはヒロインの無感情な声が、こびりついて消えない。
ヒロインを突き放したことが、ひどく罪深い行為のように思え、レノは血が出る寸前まで唇をきつく噛んだ。
「『もう会えない人』って、誰のことですかね?」
イリーナが首を傾げた。
ヒロインにとって、『もう会えない人』は一人しかいない。
「…研究員」
レノはその名を呟いた。
「えっ…先輩――」
耳ざとく聞き付けたイリーナが興味深げな視線をくれる。
しかし、レノはふと思い浮かんだその姿形を追い払うように頭を振った。
「イリーナ、その辺見てきてくれ」
一瞬不満そうな顔をしたイリーナだったが、すぐに返事をして村とは逆方向に偵察に向かった。
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レノは窓を開け、後部座席でタバコを吸っていた。
ときたま様子を伺うようにイリーナが視線を送ってきていたが、レノは無視を決め込んだ。
今は誰とも話したくない。
吹かしたタバコの煙がゆらゆらと窓から出て、後方に流れていった。
ゴンガガに到着したレノたちは、村へ続く唯一の道に陣取り、クラウドたちを待ち伏せすることにした。
3人が車を降りたとき、耳に入れていた小型イヤホンから音声が流れてきた。
3人の顔つきが変わる。
『もう会えないと思っていた人に会って、大切な人を裏切って無くした――それだけよ』
イヤホンから聞こえたのはヒロインの声だった。
何の感情も、抑揚もない無機質な音声。
本当に人間が話したのか疑ってしまうほど、そこには感情の類を一切感じさせなかった。
ヒロインがすっかり様子を変えてしまった原因が自分であることは間違いない。
レノは激しい眩暈を感じ、目の前が真っ暗になった。
さらに会話は続く。
『ほんまは寂しいんとちゃいますか?』
『――よく、わからない』
そこで会話は途切れた。
しかし、レノの耳にはヒロインの無感情な声が、こびりついて消えない。
ヒロインを突き放したことが、ひどく罪深い行為のように思え、レノは血が出る寸前まで唇をきつく噛んだ。
「『もう会えない人』って、誰のことですかね?」
イリーナが首を傾げた。
ヒロインにとって、『もう会えない人』は一人しかいない。
「…研究員」
レノはその名を呟いた。
「えっ…先輩――」
耳ざとく聞き付けたイリーナが興味深げな視線をくれる。
しかし、レノはふと思い浮かんだその姿形を追い払うように頭を振った。
「イリーナ、その辺見てきてくれ」
一瞬不満そうな顔をしたイリーナだったが、すぐに返事をして村とは逆方向に偵察に向かった。
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