2-11:孤独
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男性に連れられ着いたのは、砂埃が舞う荒廃した街だった。
暗闇にぽつりぽつりと浮かぶ崩れかけの建物は、ここが疾うに見捨てられた土地なのだと雄弁に語っていた。
「さあ、こちらです」
注意深く辺りを見回しながら、ヒロインは男性の後に続いた。
夜明け前の砂漠は凍えそうなほど寒い。
ヒロインは身震いし、身体を抱きしめた。
「ヒロイン!」
少し先の方から自分の名を呼ぶ声を聞き、ヒロインは目を凝らした。
その途端、まばゆい光がヒロインを照らした。
ヒロインは腕を上げて目を庇い、できるだけ目を細める。
「私はこれで――」
一歩下がった位置にいた男性が深々と頭を下げ、去っていった。
ヒロインは慌てて振り返り、会釈することで感謝の意を表現した。
「ヒロイン!心配したよ!」
「きゃっ」
突然がばっと背後から抱きつかれ、驚いたヒロインは思わず声を出した。
しかし、その声の主を特定するのに時間はかからなかった。
「ごめんね、ユフィ」
ヒロインはゆっくりと振り返り、抱きつくまだ幼い少女の頭を撫でた。
「ヒロインだけいなかったから、また神羅の連中に何かされたかと思ったわ!」
ティファの言葉に、ヒロインの胸がずきっと痛んだ。
去り行くレノの背中が、フラッシュバックした。
それと同時に、言うべき言葉を見失う。
何か言わないと――
気取られないように、何か――
「ヒロイン、顔色悪いよ」
心配そうな顔でユフィに見上げられ、ヒロインは誤魔化そうとなんとか笑みを浮かべる。
そして、ふと頭に浮かんだ言葉を並べ立てた。
「人酔いして倒れたからかな…まだ本調子じゃないみたい」
「大変じゃん!ほらヒロイン、こっち!」
ユフィに手を引かれ、ヒロインは光源に近づいていった。
ヒロインの偽りの言葉を信じ、心配する仲間たちに罪悪感を抱きながら。
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暗闇にぽつりぽつりと浮かぶ崩れかけの建物は、ここが疾うに見捨てられた土地なのだと雄弁に語っていた。
「さあ、こちらです」
注意深く辺りを見回しながら、ヒロインは男性の後に続いた。
夜明け前の砂漠は凍えそうなほど寒い。
ヒロインは身震いし、身体を抱きしめた。
「ヒロイン!」
少し先の方から自分の名を呼ぶ声を聞き、ヒロインは目を凝らした。
その途端、まばゆい光がヒロインを照らした。
ヒロインは腕を上げて目を庇い、できるだけ目を細める。
「私はこれで――」
一歩下がった位置にいた男性が深々と頭を下げ、去っていった。
ヒロインは慌てて振り返り、会釈することで感謝の意を表現した。
「ヒロイン!心配したよ!」
「きゃっ」
突然がばっと背後から抱きつかれ、驚いたヒロインは思わず声を出した。
しかし、その声の主を特定するのに時間はかからなかった。
「ごめんね、ユフィ」
ヒロインはゆっくりと振り返り、抱きつくまだ幼い少女の頭を撫でた。
「ヒロインだけいなかったから、また神羅の連中に何かされたかと思ったわ!」
ティファの言葉に、ヒロインの胸がずきっと痛んだ。
去り行くレノの背中が、フラッシュバックした。
それと同時に、言うべき言葉を見失う。
何か言わないと――
気取られないように、何か――
「ヒロイン、顔色悪いよ」
心配そうな顔でユフィに見上げられ、ヒロインは誤魔化そうとなんとか笑みを浮かべる。
そして、ふと頭に浮かんだ言葉を並べ立てた。
「人酔いして倒れたからかな…まだ本調子じゃないみたい」
「大変じゃん!ほらヒロイン、こっち!」
ユフィに手を引かれ、ヒロインは光源に近づいていった。
ヒロインの偽りの言葉を信じ、心配する仲間たちに罪悪感を抱きながら。
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