2-11:孤独
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レノに拒絶されたヒロインは、レノが去った後もドアの方を向いて蹲っていた。
もしかして戻ってきてくれるかもと期待して。
しかし、こうなる原因を作ったのは自分で、それなのにレノに許されることを望む自分の身勝手さ加減を同時に嫌悪した。
(もう誰かを好きになる資格はない…)
レノも研究員も、ヒロインの元からいなくなった。
拠り所にしていたものは、全て失った。
――それがわかったら、俺のところにもう一度おいで
ワンダースクエアで最後に研究員が言った言葉をふと思い出し、ヒロインは顔を上げた。
「もう一度、か」
今更研究員に縋るというのか。
それこそ最も許されないことのような気がする。
そもそも研究員は死んだはずだった。
自分が最期を見取ったのだから、間違いはない。
それに、研究員の言った「俺のところ」がどこを指すのかヒロインには見当も付かない。
ヒロインは背を壁に預け、ぼんやり窓の向こうに目を遣った。
色とりどりの花火が大輪の花を咲かせては消える。
初めて見たそれは、とても鮮やかに見えていたが、今は部屋の天井のようにくすんで見えた。
永久に晴れないだろう心を抱え、これからどうしようというのか。
クラウドたちとの旅も、ヒロイン自身に何か目的があるわけではない。
レノに一緒に行けと言われ行動を共にしているが、それすら今では意味を持たない。
クラウドたちにしても、目的もなく中途半端な気持ちで旅を続けられても迷惑だろう。
今求められているのは、ヒロインの特異な力だけ。
「レノに会う前と一緒ね」
手段として利用され、身体だけ求められた日々。
今度は誰に利用されるのだろう。
「でも…」
あの時とは少し違う虚無感。
それが何から生まれたものなのか、ヒロインにはわからなかった。
「もうどうでもいいわ…」
心悩ませるものを全て吐き出すように、ヒロインは溜息をついた。
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もしかして戻ってきてくれるかもと期待して。
しかし、こうなる原因を作ったのは自分で、それなのにレノに許されることを望む自分の身勝手さ加減を同時に嫌悪した。
(もう誰かを好きになる資格はない…)
レノも研究員も、ヒロインの元からいなくなった。
拠り所にしていたものは、全て失った。
――それがわかったら、俺のところにもう一度おいで
ワンダースクエアで最後に研究員が言った言葉をふと思い出し、ヒロインは顔を上げた。
「もう一度、か」
今更研究員に縋るというのか。
それこそ最も許されないことのような気がする。
そもそも研究員は死んだはずだった。
自分が最期を見取ったのだから、間違いはない。
それに、研究員の言った「俺のところ」がどこを指すのかヒロインには見当も付かない。
ヒロインは背を壁に預け、ぼんやり窓の向こうに目を遣った。
色とりどりの花火が大輪の花を咲かせては消える。
初めて見たそれは、とても鮮やかに見えていたが、今は部屋の天井のようにくすんで見えた。
永久に晴れないだろう心を抱え、これからどうしようというのか。
クラウドたちとの旅も、ヒロイン自身に何か目的があるわけではない。
レノに一緒に行けと言われ行動を共にしているが、それすら今では意味を持たない。
クラウドたちにしても、目的もなく中途半端な気持ちで旅を続けられても迷惑だろう。
今求められているのは、ヒロインの特異な力だけ。
「レノに会う前と一緒ね」
手段として利用され、身体だけ求められた日々。
今度は誰に利用されるのだろう。
「でも…」
あの時とは少し違う虚無感。
それが何から生まれたものなのか、ヒロインにはわからなかった。
「もうどうでもいいわ…」
心悩ませるものを全て吐き出すように、ヒロインは溜息をついた。
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