2-9:渇望
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男たちが去っても、4人は動くことができなかった。
バレットはヒロインたちに気付くこともなく、背中を丸め、俯いたままどこかへ向かった。
「何があったのかしら…」
ヒロインの問いに、ティファが首を振った。
「わからない。バレット、あんまり自分の話はしなかったから…」
「とにかくさ、バレット追い掛けよう」
ユフィに促され、4人は早足でバレットを追った。
辿り着いた先はロープウェイ乗り場だった。
クラウドとレッド13もいる。
ヒロインたちに気付いたクラウドが無言で迎えた。
ひどく重たい空気に、何かあったのだとヒロインは察した。
恐らく、先程目にしたことが原因だろう。
しかし、それをバレットに尋ねるのは憚られ、躊躇していると、バレット自ら語り出した。
ここ、コレルが自分の故郷であること。
魔晄炉建設を推進していたこと。
4年前、コレル魔晄炉完成直後に起こった事故。
その事故を村の所為にされ、村を神羅に焼かれたこと。
それが原因で妻を亡くしたこと。
想像していた以上に過酷なバレットの過去に、ヒロインは言葉を失った。
(皆…辛いもの、背負ってるんだ…)
ヒロインは自分のことに精一杯で、励まされてばかりの自分の弱さを恥じた。
(私も、強くならなきゃ…これ以上、迷惑掛けられない)
ヒロインは顔を伏せ、握り拳を作った。
「おーい、ゴールドソーサーに行くなら早く乗ってくれ」
係員に振り返ったクラウドが、すぐに乗ると返事をした。
「ゴールドソーサー!」
その横でユフィが歓喜の声を上げた。
エアリスとティファもバレットに遠慮してか、あからさまには喜んでいなかったが、目を輝かせている。
皆が嬉々としてロープウェイに乗り込んだ後、ヒロインはバレットに声を掛けた。
「ごめんなさい。私、バレットがそんなに重いもの抱え込んでるの知らなくて、迷惑ばかり――」
「俺は俺の思ったことを言ってるだけだ。迷惑だなんて思っちゃいねぇ」
ぶっきらぼうな物言いだったが、ほんの少しいつものバレットらしい様子にヒロインはほっとした。
「ありがとう」
一行を乗せたロープウェイが、ゴールドソーサーに向かって出発した。
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バレットはヒロインたちに気付くこともなく、背中を丸め、俯いたままどこかへ向かった。
「何があったのかしら…」
ヒロインの問いに、ティファが首を振った。
「わからない。バレット、あんまり自分の話はしなかったから…」
「とにかくさ、バレット追い掛けよう」
ユフィに促され、4人は早足でバレットを追った。
辿り着いた先はロープウェイ乗り場だった。
クラウドとレッド13もいる。
ヒロインたちに気付いたクラウドが無言で迎えた。
ひどく重たい空気に、何かあったのだとヒロインは察した。
恐らく、先程目にしたことが原因だろう。
しかし、それをバレットに尋ねるのは憚られ、躊躇していると、バレット自ら語り出した。
ここ、コレルが自分の故郷であること。
魔晄炉建設を推進していたこと。
4年前、コレル魔晄炉完成直後に起こった事故。
その事故を村の所為にされ、村を神羅に焼かれたこと。
それが原因で妻を亡くしたこと。
想像していた以上に過酷なバレットの過去に、ヒロインは言葉を失った。
(皆…辛いもの、背負ってるんだ…)
ヒロインは自分のことに精一杯で、励まされてばかりの自分の弱さを恥じた。
(私も、強くならなきゃ…これ以上、迷惑掛けられない)
ヒロインは顔を伏せ、握り拳を作った。
「おーい、ゴールドソーサーに行くなら早く乗ってくれ」
係員に振り返ったクラウドが、すぐに乗ると返事をした。
「ゴールドソーサー!」
その横でユフィが歓喜の声を上げた。
エアリスとティファもバレットに遠慮してか、あからさまには喜んでいなかったが、目を輝かせている。
皆が嬉々としてロープウェイに乗り込んだ後、ヒロインはバレットに声を掛けた。
「ごめんなさい。私、バレットがそんなに重いもの抱え込んでるの知らなくて、迷惑ばかり――」
「俺は俺の思ったことを言ってるだけだ。迷惑だなんて思っちゃいねぇ」
ぶっきらぼうな物言いだったが、ほんの少しいつものバレットらしい様子にヒロインはほっとした。
「ありがとう」
一行を乗せたロープウェイが、ゴールドソーサーに向かって出発した。
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