2-9:渇望
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「先輩…?」
俯き加減でルードとイリーナが待つ場所へ戻ったレノは、そこで立ち止まった。
ルードとイリーナの訝しむような視線を受けても、レノはどうしていいかわからなかった。
笑えばいいのか。
怒ればいいのか。
でも、それは何に対して?
ヒロイン?
(違う!)
レノが他の何より怒りを覚えたのは、一瞬でもヒロインを憎んだ自分自身だった。
「レノ」
相棒のルードに名を呼ばれ、レノは顔を上げた。
「あいつを、信じてやれ」
(お見通し、か)
何も言わなくても事情を察し、自分に今一番必要な言葉を掛けてくれる相棒に感謝し、レノはふっと笑った。
「あぁ、そうだな」
イリーナはきょとんとして首を傾げている。
それに気付いたレノはまた、ぽん、とイリーナの頭に手を置いた。
「男の話だぞ、と。ほら、仕事しろ、新人」
するとみるみるイリーナの眉が吊り上がった。
「バカにしないでください!」
パッとレノの手を払いのけ、イリーナが腰に手を当てた。
「すぐに先輩なんて追い越してやりますから!」
イリーナの頼もしい発言に、レノはルードと顔を見合わせて笑った。
「その意気だぞ、と」
「足元をすくわれないようにな、レノ」
レノはそれを鼻で笑った。
「ま、せいぜい気を付けとくぞ、と」
そう言って笑ったレノは、ビーチに視線を走らせた。
最初に目に止まったのは、皮肉にもやはりヒロインだった。
ティファとユフィという少女に連れられてこちらに向かって来ている。
そうやって支えられないと立っていられないぐらいに憔悴したヒロインの姿に心が痛む。
しかし、ヒロインに掛ける言葉が見当たらない。
声を掛けることは許されない。
レノはすっとヒロインから視線を外した。
「見つかると面倒だから移動するぞ、と」
3人はコスタ・デル・ソルのメインストリートを離れ、裏通りに向かった。
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俯き加減でルードとイリーナが待つ場所へ戻ったレノは、そこで立ち止まった。
ルードとイリーナの訝しむような視線を受けても、レノはどうしていいかわからなかった。
笑えばいいのか。
怒ればいいのか。
でも、それは何に対して?
ヒロイン?
(違う!)
レノが他の何より怒りを覚えたのは、一瞬でもヒロインを憎んだ自分自身だった。
「レノ」
相棒のルードに名を呼ばれ、レノは顔を上げた。
「あいつを、信じてやれ」
(お見通し、か)
何も言わなくても事情を察し、自分に今一番必要な言葉を掛けてくれる相棒に感謝し、レノはふっと笑った。
「あぁ、そうだな」
イリーナはきょとんとして首を傾げている。
それに気付いたレノはまた、ぽん、とイリーナの頭に手を置いた。
「男の話だぞ、と。ほら、仕事しろ、新人」
するとみるみるイリーナの眉が吊り上がった。
「バカにしないでください!」
パッとレノの手を払いのけ、イリーナが腰に手を当てた。
「すぐに先輩なんて追い越してやりますから!」
イリーナの頼もしい発言に、レノはルードと顔を見合わせて笑った。
「その意気だぞ、と」
「足元をすくわれないようにな、レノ」
レノはそれを鼻で笑った。
「ま、せいぜい気を付けとくぞ、と」
そう言って笑ったレノは、ビーチに視線を走らせた。
最初に目に止まったのは、皮肉にもやはりヒロインだった。
ティファとユフィという少女に連れられてこちらに向かって来ている。
そうやって支えられないと立っていられないぐらいに憔悴したヒロインの姿に心が痛む。
しかし、ヒロインに掛ける言葉が見当たらない。
声を掛けることは許されない。
レノはすっとヒロインから視線を外した。
「見つかると面倒だから移動するぞ、と」
3人はコスタ・デル・ソルのメインストリートを離れ、裏通りに向かった。
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