2-9:渇望
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運搬船がコスタ・デル・ソルに入港するよりひと足早く到着したレノたちは、ヘリコプターの準備をしていた。
着陸前に受けた連絡によると、ルーファウス自身がセフィロスを追うらしい。
(物好きなことで)
レノは日陰でタバコを吹かしながら、水平線に小さく浮かぶ運搬船を見ていた。
「レノ先輩!ちゃんと働いてくださいよ!」
この暑いのにしっかりとスーツを着ているイリーナの顔には、汗が玉のように浮かんでいる。
「俺は日光に当たると死んじまうんだぞ、と」
と、冗談で返すと、一秒後にはイリーナの眉は吊り上がっていた。
「いい加減にしてください!」
暑さも相まってか、イリーナはいつも以上にピリピリしている。
やれやれと、重い腰を上げたレノは、日向に一歩踏み出した。
途端に刺すような日光が降り注ぐ。
一瞬で身体中の水分が蒸発したような感覚になり、レノは踏み出した足を日陰に戻した。
「可愛い後輩のために頑張るつもりだったが…やっぱやめだぞ、と」
イリーナが呆れたように溜息をついた。
そして、ぷいっとそっぽを向くと、そのまま別の場所に走っていった。
うるさい後輩がいなくなり、レノはほっとして、先程と同じ位置に座り込んだ。
「レノ」
もう一人いたか。
聞き慣れた上司の声に肩を竦めたレノは、仕方なく立ち上がった。
「はいはい、ちゃんと働きますよ」
気が進まないながらも、日向に出てイリーナを追おうとしたレノをツォンが呼び止めた。
「レノ、ヒロインのことは忘れろ」
レノはぴたっと足を止めた。
「これ以上は自分の身を危うくするぞ」
何を言い出すかと思えば。
レノはくるっと振り返って、真っ直ぐツォンの目を見た。
「それは、命令ですか?」
「忠告だ」
ツォンの言葉に、レノはにっと笑った。
「じゃあ聞けません。ヒロインを二度と失いたくないんです」
でも、肝には命じておきます。
レノはそう言い残し、足早にその場を離れた。
「全く…」
清々しいまでのレノの返答に、ツォンは困ったものだと苦笑した。
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着陸前に受けた連絡によると、ルーファウス自身がセフィロスを追うらしい。
(物好きなことで)
レノは日陰でタバコを吹かしながら、水平線に小さく浮かぶ運搬船を見ていた。
「レノ先輩!ちゃんと働いてくださいよ!」
この暑いのにしっかりとスーツを着ているイリーナの顔には、汗が玉のように浮かんでいる。
「俺は日光に当たると死んじまうんだぞ、と」
と、冗談で返すと、一秒後にはイリーナの眉は吊り上がっていた。
「いい加減にしてください!」
暑さも相まってか、イリーナはいつも以上にピリピリしている。
やれやれと、重い腰を上げたレノは、日向に一歩踏み出した。
途端に刺すような日光が降り注ぐ。
一瞬で身体中の水分が蒸発したような感覚になり、レノは踏み出した足を日陰に戻した。
「可愛い後輩のために頑張るつもりだったが…やっぱやめだぞ、と」
イリーナが呆れたように溜息をついた。
そして、ぷいっとそっぽを向くと、そのまま別の場所に走っていった。
うるさい後輩がいなくなり、レノはほっとして、先程と同じ位置に座り込んだ。
「レノ」
もう一人いたか。
聞き慣れた上司の声に肩を竦めたレノは、仕方なく立ち上がった。
「はいはい、ちゃんと働きますよ」
気が進まないながらも、日向に出てイリーナを追おうとしたレノをツォンが呼び止めた。
「レノ、ヒロインのことは忘れろ」
レノはぴたっと足を止めた。
「これ以上は自分の身を危うくするぞ」
何を言い出すかと思えば。
レノはくるっと振り返って、真っ直ぐツォンの目を見た。
「それは、命令ですか?」
「忠告だ」
ツォンの言葉に、レノはにっと笑った。
「じゃあ聞けません。ヒロインを二度と失いたくないんです」
でも、肝には命じておきます。
レノはそう言い残し、足早にその場を離れた。
「全く…」
清々しいまでのレノの返答に、ツォンは困ったものだと苦笑した。
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