2-9:渇望
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「ヒロイン、大丈夫か?」
幾人かの足音とクラウドの声を聞き、ヒロインはゆっくりと顔を上げた。
「うん…ごめんなさい。また、迷惑掛けちゃって」
「気にしないで、ヒロイン」
エアリスの優しい声音にほっとして、ヒロインはようやく微笑むことができた。
「ありがとう」
皆の強ばっていた顔にも安堵が広がるのを見て取って、ヒロイン自身も胸を撫で下ろした。
どうやら、先程のようにひどい顔はしていないらしい。
まだ中はどろどろしたものが渦巻いて心を乱していたが、爪が食い込むぐらいきつく拳を握ることで、ヒロインはそれを押さえ込んだ。
「さ、出発ましょ」
自分を奮い立たせて、ヒロインは腰を上げた。
「少し休んだ方がいいのではないか?」
レッド13がヒロインを見上げた。
他の仲間たちも心配そうにしている。
ヒロインは自分を気に掛けてくれる仲間たちの優しさに触れ、尚更これ以上足を引っ張ることはできないと感じていた。
「本当に大丈夫だから。クラウド、これからどうするの?」
ヒロインの意志の強さが伝わったのか、クラウドが諦めたように溜息を吐いた。
「…宝条から、セフィロスが西に向かったと聞いた」
「追うのね」
「あぁ」
セフィロスの名を聞き、ジェノバがまた騒ぎだした。
――セフィロス…
――早く一つになりたい…
はっきりと聞こえたジェノバの声に、ヒロインははっとして目を見開いた。
(一つに…?一体何を――)
「どしたのさ、ぼーっとして」
ユフィの声で我に返ったヒロインは、曖昧に笑って誤魔化した。
「ヒロイン、返しておく」
クラウドに渡されたのは、海岸で落とした愛用の銃だった。
「ありがとう。気付かなかった…」
クラウドから銃を受け取ったヒロインは、存在を確かめるようにグリップを握った。
「さぁ、出発しよう」
ユフィに手を引かれ、ヒロインはコスタ・デル・ソルを後にした。
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幾人かの足音とクラウドの声を聞き、ヒロインはゆっくりと顔を上げた。
「うん…ごめんなさい。また、迷惑掛けちゃって」
「気にしないで、ヒロイン」
エアリスの優しい声音にほっとして、ヒロインはようやく微笑むことができた。
「ありがとう」
皆の強ばっていた顔にも安堵が広がるのを見て取って、ヒロイン自身も胸を撫で下ろした。
どうやら、先程のようにひどい顔はしていないらしい。
まだ中はどろどろしたものが渦巻いて心を乱していたが、爪が食い込むぐらいきつく拳を握ることで、ヒロインはそれを押さえ込んだ。
「さ、出発ましょ」
自分を奮い立たせて、ヒロインは腰を上げた。
「少し休んだ方がいいのではないか?」
レッド13がヒロインを見上げた。
他の仲間たちも心配そうにしている。
ヒロインは自分を気に掛けてくれる仲間たちの優しさに触れ、尚更これ以上足を引っ張ることはできないと感じていた。
「本当に大丈夫だから。クラウド、これからどうするの?」
ヒロインの意志の強さが伝わったのか、クラウドが諦めたように溜息を吐いた。
「…宝条から、セフィロスが西に向かったと聞いた」
「追うのね」
「あぁ」
セフィロスの名を聞き、ジェノバがまた騒ぎだした。
――セフィロス…
――早く一つになりたい…
はっきりと聞こえたジェノバの声に、ヒロインははっとして目を見開いた。
(一つに…?一体何を――)
「どしたのさ、ぼーっとして」
ユフィの声で我に返ったヒロインは、曖昧に笑って誤魔化した。
「ヒロイン、返しておく」
クラウドに渡されたのは、海岸で落とした愛用の銃だった。
「ありがとう。気付かなかった…」
クラウドから銃を受け取ったヒロインは、存在を確かめるようにグリップを握った。
「さぁ、出発しよう」
ユフィに手を引かれ、ヒロインはコスタ・デル・ソルを後にした。
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