2-8:交錯
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長い話が終わり、張り詰めた空気を吹き飛ばすように、一同は溜息をついた。
そして、時間が経って落ち着いたヒロインは、顔を上げて皆を見渡した。
「神羅も、セフィロスも私の力を狙ってる。だから、一緒にいたら迷惑かけて――」
「なに水臭いこと言ってんだ!」
予期せずバレットに怒鳴られ、ヒロインは目を瞬いた。
「そうよ!ヒロイン、私たち、仲間じゃない」
エアリスが笑うと、皆も同意するように頷いた。
「でも…」
「でももクソもあるか!誰も迷惑だなんて思っちゃいねぇ!」
「でもまた、ジェノバのせいで誰かを傷つけたら――」
「そのときは、俺たちが止めてやる」
「大丈夫だよ、ヒロイン!このユフィ様がついてるからね」
ぽろぽろとヒロインの目から涙が零れた。
「みんな…ありがとう」
クラウドたちが照れ臭そうに笑う。
ヒロインも涙を拭いて笑った。
「少し休憩してから出発しよう」
出発時間と集合場所を確認し、皆は街へと繰り出した。
ヒロインは一人部屋に残り、窓から街を眺めていた。
(やっぱり、知らない――)
自分の記憶と経験が一致しない。
皆には5年前の事件後あちこちを転々としていたと話したが、本当にそうだったのだろうか?
そう記憶しているが、実際はどうだったのだろう。
思い出した記憶と違い、この5年間の記憶は自分のものでないみたいにしっくりこない。
「一番、重要な気がするんだけど…」
「ヒロインー」
考え込もうとしたところ名を呼ばれ、ヒロインは声がした方に視線を動かした。
「ユフィ」
「ヒロイン!皆が服買いに行こうって!」
ユフィにそう言われ、ヒロインは自分の服を見た。
赤い色のせいで気付かなかったが、よく見るとあちこちに赤黒い染みができている。
(あのときの――)
ヒロインは服についた血の跡を握り締めた。
「早くー」
「今行くわ!」
ヒロインは逃げるように服から目を逸らして、足早に外に出た。
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そして、時間が経って落ち着いたヒロインは、顔を上げて皆を見渡した。
「神羅も、セフィロスも私の力を狙ってる。だから、一緒にいたら迷惑かけて――」
「なに水臭いこと言ってんだ!」
予期せずバレットに怒鳴られ、ヒロインは目を瞬いた。
「そうよ!ヒロイン、私たち、仲間じゃない」
エアリスが笑うと、皆も同意するように頷いた。
「でも…」
「でももクソもあるか!誰も迷惑だなんて思っちゃいねぇ!」
「でもまた、ジェノバのせいで誰かを傷つけたら――」
「そのときは、俺たちが止めてやる」
「大丈夫だよ、ヒロイン!このユフィ様がついてるからね」
ぽろぽろとヒロインの目から涙が零れた。
「みんな…ありがとう」
クラウドたちが照れ臭そうに笑う。
ヒロインも涙を拭いて笑った。
「少し休憩してから出発しよう」
出発時間と集合場所を確認し、皆は街へと繰り出した。
ヒロインは一人部屋に残り、窓から街を眺めていた。
(やっぱり、知らない――)
自分の記憶と経験が一致しない。
皆には5年前の事件後あちこちを転々としていたと話したが、本当にそうだったのだろうか?
そう記憶しているが、実際はどうだったのだろう。
思い出した記憶と違い、この5年間の記憶は自分のものでないみたいにしっくりこない。
「一番、重要な気がするんだけど…」
「ヒロインー」
考え込もうとしたところ名を呼ばれ、ヒロインは声がした方に視線を動かした。
「ユフィ」
「ヒロイン!皆が服買いに行こうって!」
ユフィにそう言われ、ヒロインは自分の服を見た。
赤い色のせいで気付かなかったが、よく見るとあちこちに赤黒い染みができている。
(あのときの――)
ヒロインは服についた血の跡を握り締めた。
「早くー」
「今行くわ!」
ヒロインは逃げるように服から目を逸らして、足早に外に出た。
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