2-8:交錯
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「ヒロインが…?」
大陸横断用の飛空艇で連絡を受けたレノは顔を青くした。
つい1時間前に起きた運搬船での事件を聞かされたのは、コスタ・デル・ソル着陸の間際だった。
その事件で幸いにも生き残った運搬船職員がこう証言した。
「黒髪の女にやられた」と。
何かの間違いではというレノの願いも、次いでもたらされたセフィロス目撃の報によって霧消した。
「セフィロスが絡んでいたとなると、強ち間違いではないようだな。5年前も――」
共に報告を受けていたツォンも、届けられた情報が信頼の置けるものだと判断したようだった。
自分以外の人間に肯定され、レノの頭の隅にあった疑念がどんどん膨らんでいく。
ヒロインが、人を殺した――
ヒロインはそのときのことを覚えているのだろうか。
己の手を、血に染めたことを。
5年前、ミッドガルの地下水路でヒロインは男を殺した。
研究員の力でジェノバを覚醒させられて。
今回もヒロインの中のジェノバがそうさせたのか。
あのヒロインが、自ら進んで人を殺めたとは考えたくない。
「くそっ」
レノは拳を分厚い窓ガラスに叩きつけた。
強化ガラスが鈍い音を立てた。
艇内に居心地の悪い空気が流れる。
「ヒロインはどうなったんですか?」
その沈黙を破るように、それまで聞き手に回っていたルードが口を開いた。
しばしの間。
ツォンが思案するポーズを解いた。
「クラウドたちが連れていった可能性が高いと聞いている」
「クラウドたちが!?」
イリーナが素っ頓狂な声を上げた。
無理もない。
点検したにも関わらず、まんまとクラウドたちに乗り込まれたのだから。
イリーナとは対照的に、レノはわずかに落ち着きを取り戻した。
ヒロインがセフィロスと共にいるよりは、無事でいる可能性が高くなる。
イリーナが大騒ぎする中で、急に様子の変わったレノを眉根に皺を刻んだツォンが訝しむように見ていた。
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大陸横断用の飛空艇で連絡を受けたレノは顔を青くした。
つい1時間前に起きた運搬船での事件を聞かされたのは、コスタ・デル・ソル着陸の間際だった。
その事件で幸いにも生き残った運搬船職員がこう証言した。
「黒髪の女にやられた」と。
何かの間違いではというレノの願いも、次いでもたらされたセフィロス目撃の報によって霧消した。
「セフィロスが絡んでいたとなると、強ち間違いではないようだな。5年前も――」
共に報告を受けていたツォンも、届けられた情報が信頼の置けるものだと判断したようだった。
自分以外の人間に肯定され、レノの頭の隅にあった疑念がどんどん膨らんでいく。
ヒロインが、人を殺した――
ヒロインはそのときのことを覚えているのだろうか。
己の手を、血に染めたことを。
5年前、ミッドガルの地下水路でヒロインは男を殺した。
研究員の力でジェノバを覚醒させられて。
今回もヒロインの中のジェノバがそうさせたのか。
あのヒロインが、自ら進んで人を殺めたとは考えたくない。
「くそっ」
レノは拳を分厚い窓ガラスに叩きつけた。
強化ガラスが鈍い音を立てた。
艇内に居心地の悪い空気が流れる。
「ヒロインはどうなったんですか?」
その沈黙を破るように、それまで聞き手に回っていたルードが口を開いた。
しばしの間。
ツォンが思案するポーズを解いた。
「クラウドたちが連れていった可能性が高いと聞いている」
「クラウドたちが!?」
イリーナが素っ頓狂な声を上げた。
無理もない。
点検したにも関わらず、まんまとクラウドたちに乗り込まれたのだから。
イリーナとは対照的に、レノはわずかに落ち着きを取り戻した。
ヒロインがセフィロスと共にいるよりは、無事でいる可能性が高くなる。
イリーナが大騒ぎする中で、急に様子の変わったレノを眉根に皺を刻んだツォンが訝しむように見ていた。
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