2-8:交錯
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ボーー…
レノが港に着くと同時に、汽笛が鳴った。
予定より出港時間が早い。
運搬船が静かに港を離れていく。
「――遅かったか」
レノは大きく舌打ちをした。
「レノ」
声を掛けられたレノはゆっくりと振り返った。
「ツォンさん」
そこに立つ人物にレノは目を丸くした。
確かツォンは乗船すると聞いていたが――
「我々タークスは不要だそうだ」
ツォンが苦々しげに顔をしかめた。
「ハイデッカーですか、と」
「そうなんですよ!自分がいれば、タークスは必要ないそうです!」
ツォンの隣に立つイリーナも憤慨していた。
(…思った通りだったな)
ヒロインを連れ去り、タークスを遠ざける。
それは、おそらくハイデッカー一人の計画だろう。
ルーファウスなら人目につくところで拉致する必要はない。
そのままヒロインを部屋から出さなければいいのだから。
ヒロインを傷つけたハイデッカーもそうだが、何より自分に腹が立った。
今回も5年前も即座に決断ができず、ヒロインを危険な目に合わせた。
これでヒロインの身に何かあったら、自分を許せなくなる。
既に小さくなった運搬船を見ながら、レノは拳が震えるほどきつく握った。
「ツォンさん。これからどうしますか?」
レノがイリーナの声で、視線をツォンに向けると、手を顎にあてて考え込んでいたツォンが溜息をついた。
「…大陸横断用の飛空艇の準備ができるまで待機だ。準備が出来しだいコスタ・デル・ソルに向けて出発する。――レノ、ルードにもそう伝えておいてくれ」
「…了解、と」
飛空艇が準備できるまで、まだかなりの時間を要するだろう。
時間を潰そうと街に戻りかけ、レノは足を止めた。
(そういや、クラウドは――)
神羅兵に変装していたが、一体どこでどうしているのか。
(まさか、運搬船に――)
再度運搬船が向かった方向を見つめながら、レノは希望にも似た考えを振り払った。
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レノが港に着くと同時に、汽笛が鳴った。
予定より出港時間が早い。
運搬船が静かに港を離れていく。
「――遅かったか」
レノは大きく舌打ちをした。
「レノ」
声を掛けられたレノはゆっくりと振り返った。
「ツォンさん」
そこに立つ人物にレノは目を丸くした。
確かツォンは乗船すると聞いていたが――
「我々タークスは不要だそうだ」
ツォンが苦々しげに顔をしかめた。
「ハイデッカーですか、と」
「そうなんですよ!自分がいれば、タークスは必要ないそうです!」
ツォンの隣に立つイリーナも憤慨していた。
(…思った通りだったな)
ヒロインを連れ去り、タークスを遠ざける。
それは、おそらくハイデッカー一人の計画だろう。
ルーファウスなら人目につくところで拉致する必要はない。
そのままヒロインを部屋から出さなければいいのだから。
ヒロインを傷つけたハイデッカーもそうだが、何より自分に腹が立った。
今回も5年前も即座に決断ができず、ヒロインを危険な目に合わせた。
これでヒロインの身に何かあったら、自分を許せなくなる。
既に小さくなった運搬船を見ながら、レノは拳が震えるほどきつく握った。
「ツォンさん。これからどうしますか?」
レノがイリーナの声で、視線をツォンに向けると、手を顎にあてて考え込んでいたツォンが溜息をついた。
「…大陸横断用の飛空艇の準備ができるまで待機だ。準備が出来しだいコスタ・デル・ソルに向けて出発する。――レノ、ルードにもそう伝えておいてくれ」
「…了解、と」
飛空艇が準備できるまで、まだかなりの時間を要するだろう。
時間を潰そうと街に戻りかけ、レノは足を止めた。
(そういや、クラウドは――)
神羅兵に変装していたが、一体どこでどうしているのか。
(まさか、運搬船に――)
再度運搬船が向かった方向を見つめながら、レノは希望にも似た考えを振り払った。
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