2-8:交錯
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バーを出たレノは、基地に向かった。
閑散とした基地内を歩き回りながら、一般兵たちの会話に耳を傾ける。
上司であるハイデッカーの悪口から、ジュノンを徘徊する黒マントの男の話、他愛もない雑談まで、兵たちの話は多岐に渡っていた。
「お前見た?」
「何を?」
「すっげぇ美人がさ、基地にいたんだよ!」
二人の一般兵の会話にレノは足を止めた。
この男臭い基地に女性がいるなんて聞いたことがない。
しかも美人がいて、自分の耳に話が入らないはずはない。
一般兵は興奮した様子で話を続けた。
「黒髪がすごく似合っててさ。美人なうえにスタイルもよし。なのに、あのハイデッカーの奴――」
「その話、詳しく聞かせろよ、と」
レノは二人の話に割り込んだ。
黒髪の女性とはヒロインに違いない。
そして、ハイデッカーが絡んでいると聞けば、レノは心中穏やかではいられなかった。
「あ、レノさん!お疲れ様です」
一般兵二人はびくっと身体を震わせた後、慌ててこちらに振り向いた。
「で、ハイデッカーがどうしたんだ?」
レノが話を促すと、話をしていた一般兵は困ったようにもう一人と顔を見合わせた。
どうやら話を言い付けられるとでも思ったらしい。
それに気付いたレノは、にっと笑った。
「俺もあのおっさんは嫌いだから安心しろよ、と」
すると、一般兵二人は安心したように息をついた。
「さっき、そこで女性と擦れ違ったんですが、その直後にハイデッカーが物凄い形相で走ってきて、その女性を床に叩きつけたんです。信じられないですよね!女性相手に――」
そこまで一息に言った一般兵は、再び怒りが燃え上がったのか、息を荒げた。
(んの野郎…!)
ハイデッカーがヒロインにしたことを想像し、レノは一般兵以上に怒りを覚えた。
「なぁ、その後ハイデッカーはどこ行ったんだ?」
「あ…確か女性を連れて運搬船の方に…」
「そうか…助かったぞ、と」
レノはぽかんとした表情の一般兵に礼を言うと、運搬船が停泊している港に向かって走り出した。
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閑散とした基地内を歩き回りながら、一般兵たちの会話に耳を傾ける。
上司であるハイデッカーの悪口から、ジュノンを徘徊する黒マントの男の話、他愛もない雑談まで、兵たちの話は多岐に渡っていた。
「お前見た?」
「何を?」
「すっげぇ美人がさ、基地にいたんだよ!」
二人の一般兵の会話にレノは足を止めた。
この男臭い基地に女性がいるなんて聞いたことがない。
しかも美人がいて、自分の耳に話が入らないはずはない。
一般兵は興奮した様子で話を続けた。
「黒髪がすごく似合っててさ。美人なうえにスタイルもよし。なのに、あのハイデッカーの奴――」
「その話、詳しく聞かせろよ、と」
レノは二人の話に割り込んだ。
黒髪の女性とはヒロインに違いない。
そして、ハイデッカーが絡んでいると聞けば、レノは心中穏やかではいられなかった。
「あ、レノさん!お疲れ様です」
一般兵二人はびくっと身体を震わせた後、慌ててこちらに振り向いた。
「で、ハイデッカーがどうしたんだ?」
レノが話を促すと、話をしていた一般兵は困ったようにもう一人と顔を見合わせた。
どうやら話を言い付けられるとでも思ったらしい。
それに気付いたレノは、にっと笑った。
「俺もあのおっさんは嫌いだから安心しろよ、と」
すると、一般兵二人は安心したように息をついた。
「さっき、そこで女性と擦れ違ったんですが、その直後にハイデッカーが物凄い形相で走ってきて、その女性を床に叩きつけたんです。信じられないですよね!女性相手に――」
そこまで一息に言った一般兵は、再び怒りが燃え上がったのか、息を荒げた。
(んの野郎…!)
ハイデッカーがヒロインにしたことを想像し、レノは一般兵以上に怒りを覚えた。
「なぁ、その後ハイデッカーはどこ行ったんだ?」
「あ…確か女性を連れて運搬船の方に…」
「そうか…助かったぞ、と」
レノはぽかんとした表情の一般兵に礼を言うと、運搬船が停泊している港に向かって走り出した。
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