2-8:交錯
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クラウドの目が鋭く細められた。
あれから2時間。
話をするだけと言っていたわりには、時間が掛かりすぎているのではないか。
パチン。
さらにここ1時間ぐらいはパレードや式典で、ルーファウスは公式の場にいた。
まさかそこにヒロインを連れていたということはないだろう。
パチン。
では一体どこに?
パチン、パチン…
ヒロインのことを思うなら、教えるべきだろうか。
しかし、敵に情報を洩らすのか?
パチン。
それまで規則正しいリズムで刻まれていた音が止んだ。
「お前に教えてやる義理はないぞ、と」
「そうか」
ある程度この返答を予測していたのだろう。
クラウドは落ち着いた様子でマスクを戻した。
そしてレノに背を向け、言った。
「5年前のことはヒロインから聞いた」
クラウドの一言に、レノは視線を上げた。
「でも、今は俺たちの仲間だ。お前たちが何を企んでいるのかは知らないが、ヒロインは俺たちが守る」
クラウドはそれだけ言うと、来た時と同じようにわずかばかりドアベルを鳴らし、店を出ていった。
クラウドの強い意志の籠もった言葉にレノは反論もできず、手の中のライターをきつく握った。
(あの時と、何一つ変わってないな…)
――会社とヒロインちゃん天秤に掛けたら、ヒロインちゃん取るだろ
あの時も、すぐに決断できなかった。
「お前がうらやましいぞ、と」
何もかも真っ直ぐで。
今は亡き親友に向けて、レノは自嘲気味に笑った。
結局、まだ何一つヒロインのためにしてやれない。
体のいい言い訳をつけて逃げてるだけだ。
「たまにはあいつを見習ってみるか」
頭を掻いたレノは、出航時間にはまだ早いことを知りながら、バーを出た。
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あれから2時間。
話をするだけと言っていたわりには、時間が掛かりすぎているのではないか。
パチン。
さらにここ1時間ぐらいはパレードや式典で、ルーファウスは公式の場にいた。
まさかそこにヒロインを連れていたということはないだろう。
パチン。
では一体どこに?
パチン、パチン…
ヒロインのことを思うなら、教えるべきだろうか。
しかし、敵に情報を洩らすのか?
パチン。
それまで規則正しいリズムで刻まれていた音が止んだ。
「お前に教えてやる義理はないぞ、と」
「そうか」
ある程度この返答を予測していたのだろう。
クラウドは落ち着いた様子でマスクを戻した。
そしてレノに背を向け、言った。
「5年前のことはヒロインから聞いた」
クラウドの一言に、レノは視線を上げた。
「でも、今は俺たちの仲間だ。お前たちが何を企んでいるのかは知らないが、ヒロインは俺たちが守る」
クラウドはそれだけ言うと、来た時と同じようにわずかばかりドアベルを鳴らし、店を出ていった。
クラウドの強い意志の籠もった言葉にレノは反論もできず、手の中のライターをきつく握った。
(あの時と、何一つ変わってないな…)
――会社とヒロインちゃん天秤に掛けたら、ヒロインちゃん取るだろ
あの時も、すぐに決断できなかった。
「お前がうらやましいぞ、と」
何もかも真っ直ぐで。
今は亡き親友に向けて、レノは自嘲気味に笑った。
結局、まだ何一つヒロインのためにしてやれない。
体のいい言い訳をつけて逃げてるだけだ。
「たまにはあいつを見習ってみるか」
頭を掻いたレノは、出航時間にはまだ早いことを知りながら、バーを出た。
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