2-7:提案
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パタンと音を立てて扉が閉じた。
縋るようにずっと扉に目を遣っていたヒロインは、ゆっくりと振り返った。
そこに悠然と立つルーファウスがふっと笑い、ヒロインにソファに座るよう勧めた。
しかし、ヒロインは緩やかに首を振った。
「社長。話とは何ですか?」
「ルーファウスでいい。君は神羅の人間ではないだろう」
ルーファウスが可笑しそうに笑う。
穏やかな表情のルーファウスの真意を計りかね、ヒロインは仕方なくソファに腰を下ろした。
まもなく紅茶と焼き菓子が運ばれ、給仕がいなくなるとルーファウスが口を開いた。
「そう固くならないでくれ。お茶でも飲みながら、君と話をしたかっただけだ」
ルーファウスがティーカップに手を伸ばし、口を付けたのを確認してから、ヒロインもお茶を口にした。
ハーブのいい匂いが鼻を擽る。
不思議と心が落ち着き、そこでやっとヒロインは身体の力を抜いた。
「警戒するのも無理はないな」
ふっと笑ったルーファウスに心の内を見抜かれ、ヒロインは慌てて首を振った。
「あ、いえ…そういうわけでは…」
「大体の話はツォンから聞いている」
ルーファウスの一言が、ヒロインを凍り付かせた。
カップを持つ手が震える。
一体ルーファウスは何をどこまで知っているのか。
ヒロインはそっと目を動かし、ルーファウスを見た。
しかし、薄く笑うルーファウスからは何も読み取れない。
話す気があるのかないのか。
気不味い沈黙を破ろうと、ヒロインは自らルーファウスに尋ねた。
「…何を、聞いたんですか?」
「いろいろ、だな」
はぐらかすような答えにヒロインは軽く眉根を寄せた。
「取り留めのない話をするだけなら、私――」
席を立とうとヒロインはカップを下ろし、ソファに手をついた。
その時。
すっとルーファウスの目が細められた。
「――では、ミッドガル・ハイウェイの話でもしようか」
.
縋るようにずっと扉に目を遣っていたヒロインは、ゆっくりと振り返った。
そこに悠然と立つルーファウスがふっと笑い、ヒロインにソファに座るよう勧めた。
しかし、ヒロインは緩やかに首を振った。
「社長。話とは何ですか?」
「ルーファウスでいい。君は神羅の人間ではないだろう」
ルーファウスが可笑しそうに笑う。
穏やかな表情のルーファウスの真意を計りかね、ヒロインは仕方なくソファに腰を下ろした。
まもなく紅茶と焼き菓子が運ばれ、給仕がいなくなるとルーファウスが口を開いた。
「そう固くならないでくれ。お茶でも飲みながら、君と話をしたかっただけだ」
ルーファウスがティーカップに手を伸ばし、口を付けたのを確認してから、ヒロインもお茶を口にした。
ハーブのいい匂いが鼻を擽る。
不思議と心が落ち着き、そこでやっとヒロインは身体の力を抜いた。
「警戒するのも無理はないな」
ふっと笑ったルーファウスに心の内を見抜かれ、ヒロインは慌てて首を振った。
「あ、いえ…そういうわけでは…」
「大体の話はツォンから聞いている」
ルーファウスの一言が、ヒロインを凍り付かせた。
カップを持つ手が震える。
一体ルーファウスは何をどこまで知っているのか。
ヒロインはそっと目を動かし、ルーファウスを見た。
しかし、薄く笑うルーファウスからは何も読み取れない。
話す気があるのかないのか。
気不味い沈黙を破ろうと、ヒロインは自らルーファウスに尋ねた。
「…何を、聞いたんですか?」
「いろいろ、だな」
はぐらかすような答えにヒロインは軽く眉根を寄せた。
「取り留めのない話をするだけなら、私――」
席を立とうとヒロインはカップを下ろし、ソファに手をついた。
その時。
すっとルーファウスの目が細められた。
「――では、ミッドガル・ハイウェイの話でもしようか」
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