2-7:提案
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命令されるままヒロインを連れて行き、何もできずに引き下がったレノは、基地内にいる気が起きず街に降りた。
ジュノンにいるであろう相棒に電話をしたが繋がらず、レノは苛立ちを抱えたまま、街にあるバーに向かった。
地下にある店に続く階段を下り、乱暴にドアを開けると、ドアに付いていたベルが、けたたましく鳴った。
「いらっしゃい」
バーのマスターの落ち着き払った声に迎えられ、レノは決まり悪くなって頭を掻いた。
苛立ちを物にぶつけるなど子供と同じ。
あまりの格好悪さに自分でも呆れ返る。
冷静さを取り戻したレノは、バーに見慣れた格好の男女がいることに気付いた。
(あれは――)
イリーナという新人と上司のツォンだった。
「ツォンさん、あのヒロインって人、一体何なんですか!?」
イリーナが目を吊り上げ、ツォンに詰め寄る。
迫力に気圧され、わずかに身を退いたツォンが困ったように視線を宙に泳がせた。
「元タークスで、俺の彼女だぞ、と」
「「レノ!?」先輩!」
何を言い出すのかと目を剥いたツォンと、さらに眉間に皺を刻んだイリーナが同時に振り返った。
「どういうことですか!クラウド一味といる女が『彼女』って!」
甲高い声で喚くイリーナの声に耳を塞ぎながら、レノはマスターにブランデーのロックを頼んだ。
「どうもこうもないぞ、と」
ブランデーに涼しい顔をして口を付けると、イリーナがバン!と両手でカウンターを叩いた。
「気は確かですか!?」
「あぁ」
「私たちの敵ですよ!?」
「改めて言われなくてもわかってるぞ、と」
尚も声を張り上げるイリーナを、レノは平然と受け流した。
言葉に詰まったイリーナが、拳を震わせて立ち上がる。
「イリーナ、少し落ち着け」
ツォンが溜息混じりにイリーナを諭し、やっとのことで怒りを収めたイリーナは席についた。
仕事に対して真っ直ぐで生真面目そうなイリーナの相手をそれ以上する気にもならず、レノはグラスに残っていたブランデーを一気に飲み干した。
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ジュノンにいるであろう相棒に電話をしたが繋がらず、レノは苛立ちを抱えたまま、街にあるバーに向かった。
地下にある店に続く階段を下り、乱暴にドアを開けると、ドアに付いていたベルが、けたたましく鳴った。
「いらっしゃい」
バーのマスターの落ち着き払った声に迎えられ、レノは決まり悪くなって頭を掻いた。
苛立ちを物にぶつけるなど子供と同じ。
あまりの格好悪さに自分でも呆れ返る。
冷静さを取り戻したレノは、バーに見慣れた格好の男女がいることに気付いた。
(あれは――)
イリーナという新人と上司のツォンだった。
「ツォンさん、あのヒロインって人、一体何なんですか!?」
イリーナが目を吊り上げ、ツォンに詰め寄る。
迫力に気圧され、わずかに身を退いたツォンが困ったように視線を宙に泳がせた。
「元タークスで、俺の彼女だぞ、と」
「「レノ!?」先輩!」
何を言い出すのかと目を剥いたツォンと、さらに眉間に皺を刻んだイリーナが同時に振り返った。
「どういうことですか!クラウド一味といる女が『彼女』って!」
甲高い声で喚くイリーナの声に耳を塞ぎながら、レノはマスターにブランデーのロックを頼んだ。
「どうもこうもないぞ、と」
ブランデーに涼しい顔をして口を付けると、イリーナがバン!と両手でカウンターを叩いた。
「気は確かですか!?」
「あぁ」
「私たちの敵ですよ!?」
「改めて言われなくてもわかってるぞ、と」
尚も声を張り上げるイリーナを、レノは平然と受け流した。
言葉に詰まったイリーナが、拳を震わせて立ち上がる。
「イリーナ、少し落ち着け」
ツォンが溜息混じりにイリーナを諭し、やっとのことで怒りを収めたイリーナは席についた。
仕事に対して真っ直ぐで生真面目そうなイリーナの相手をそれ以上する気にもならず、レノはグラスに残っていたブランデーを一気に飲み干した。
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