2-7:提案
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エレベーターから降りた二人は、ルーファウスが待つ部屋へと向かった。
相変わらず物珍しそうに辺りを見回すヒロインの手を引いて、レノは基地内を早足で歩いた。
「ほら、見つかると面倒だから行くぞ、と」
いつかもこんなことがあったとレノは過去に思いを馳せる。
互いの立つ位置は変わってしまったが、ヒロインは昔と何一つ変わらない。
「だって、初めて見るものばかりだから…」
そう言って苦笑したヒロインが、5年前と重なる。
――ありがとう
同時にフラッシュバックした『あの日』の記憶。
レノはヒロインの手を離すまいときつく握った。
社長の待つ部屋の前に着いたレノは、軽く二度ノックをした。
しばしの間があり、中から入るようにとルーファウスの声が聞こえた。
不安そうなヒロインを勇気づけるために、レノは離したヒロインの手を取った。
ヒロインもその手でレノの手をぎゅっと握り返した。
レノは一呼吸置いた後、ゆっくりとドアを開けた。
部屋に入ると、落ち着いた様子でソファに座るルーファウスを目にしたヒロインが、一歩後ろに下がった。
レノはヒロインを庇うように一歩前に出る。
「ヒロインを、連れてきました」
全ての感情を押し殺して、努めて抑揚のない声でレノはルーファウスに報告をした。
「すまなかったな」
簡単に労ったルーファウスが立ち上がった。
「レノ、下がってくれ」
二人の話に同席させてもらえないことは初めからわかってはいた。
しかし、ますます強ばるヒロインの様子を見ていると、そう簡単には引き下がりにくい。
レノは唇を噛んだ。
「聞こえなかったか?」
細められたルーファウスの目に、冷たい光が宿る。
レノは閉ざしていた口を開いた。
「…はい」
ヒロインの縋るような視線を受けながらも、何もできない自分の力のなさが苛立たしい。
レノはヒロインを直視できず、そのまま部屋を後にした。
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相変わらず物珍しそうに辺りを見回すヒロインの手を引いて、レノは基地内を早足で歩いた。
「ほら、見つかると面倒だから行くぞ、と」
いつかもこんなことがあったとレノは過去に思いを馳せる。
互いの立つ位置は変わってしまったが、ヒロインは昔と何一つ変わらない。
「だって、初めて見るものばかりだから…」
そう言って苦笑したヒロインが、5年前と重なる。
――ありがとう
同時にフラッシュバックした『あの日』の記憶。
レノはヒロインの手を離すまいときつく握った。
社長の待つ部屋の前に着いたレノは、軽く二度ノックをした。
しばしの間があり、中から入るようにとルーファウスの声が聞こえた。
不安そうなヒロインを勇気づけるために、レノは離したヒロインの手を取った。
ヒロインもその手でレノの手をぎゅっと握り返した。
レノは一呼吸置いた後、ゆっくりとドアを開けた。
部屋に入ると、落ち着いた様子でソファに座るルーファウスを目にしたヒロインが、一歩後ろに下がった。
レノはヒロインを庇うように一歩前に出る。
「ヒロインを、連れてきました」
全ての感情を押し殺して、努めて抑揚のない声でレノはルーファウスに報告をした。
「すまなかったな」
簡単に労ったルーファウスが立ち上がった。
「レノ、下がってくれ」
二人の話に同席させてもらえないことは初めからわかってはいた。
しかし、ますます強ばるヒロインの様子を見ていると、そう簡単には引き下がりにくい。
レノは唇を噛んだ。
「聞こえなかったか?」
細められたルーファウスの目に、冷たい光が宿る。
レノは閉ざしていた口を開いた。
「…はい」
ヒロインの縋るような視線を受けながらも、何もできない自分の力のなさが苛立たしい。
レノはヒロインを直視できず、そのまま部屋を後にした。
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