2-7:提案
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皆が起き出す前に目を覚ましたヒロインは、一人海岸を歩いていた。
水こそ澄んでいたが、上を見ればそこにはミッドガルと同じ鉄製の空。
忘れていたがよく知った圧迫感を覚え、ヒロインはそこから視線を外した。
眼前に細長く広がる景色は、決して心癒されるものではなかったが、ヒロインは海岸に座り込んでそれを眺めた。
波の音に耳を澄ましていたヒロインに、しばらくして人工的な音が降り注いできた。
ヒロインは軽く顔をしかめ、上を仰ぎ見る。
「神羅の新しい社長が来てるんだってさ」
気付けばユフィが隣に立って、ヒロインと同じように上を見ていた。
「厳戒体制で、エレベーターじゃ上に行けないらしいよ」
「社長が――」
ヒロインの鼓動が早くなる。
ジュノンで待つと言っていたツォン。
しかし、上に行く手段はない。
ヒロインは仕方ないと自分に言い聞かせた。
上に行けなかったから、社長に会えなかった――と。
「ユフィ、戻ろ――」
立ち上がって、振り返ったその先。
「ヒロイン」
ヒロインは目を疑った。
まさか、ここで会うなんて――
「レノ…」
「ヒロイン?」
ユフィが怪訝そうに眉をひそめる。
ヒロインはにっこり笑うと、ユフィにクラウドたちといるように促した。
「え、でも――」
一人で大丈夫かと、ユフィの目が言う。
「あとで行くわ」
ユフィが去ると、二人の間に重い沈黙が降りた。
自然にしようとすればするほど、空気がぎこちなくなっていく。
レノがここに来た理由は一つしかない。
ついに逃げ場が、なくなった。
「あー、ヒロイン…」
レノが困ったように頭を掻いた。
「社長の所、行くんだよね」
ヒロインの発した一言で、レノが深い溜息をついた。
「あぁ」
レノが進んでここまで来たのではないことはわかった。
ヒロインはゆっくりとレノに近づいた。
「連れていって」
「…あぁ」
互いに一度も目を合わせることなく、二人は上へ向かうエレベーターに乗り込んだ。
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水こそ澄んでいたが、上を見ればそこにはミッドガルと同じ鉄製の空。
忘れていたがよく知った圧迫感を覚え、ヒロインはそこから視線を外した。
眼前に細長く広がる景色は、決して心癒されるものではなかったが、ヒロインは海岸に座り込んでそれを眺めた。
波の音に耳を澄ましていたヒロインに、しばらくして人工的な音が降り注いできた。
ヒロインは軽く顔をしかめ、上を仰ぎ見る。
「神羅の新しい社長が来てるんだってさ」
気付けばユフィが隣に立って、ヒロインと同じように上を見ていた。
「厳戒体制で、エレベーターじゃ上に行けないらしいよ」
「社長が――」
ヒロインの鼓動が早くなる。
ジュノンで待つと言っていたツォン。
しかし、上に行く手段はない。
ヒロインは仕方ないと自分に言い聞かせた。
上に行けなかったから、社長に会えなかった――と。
「ユフィ、戻ろ――」
立ち上がって、振り返ったその先。
「ヒロイン」
ヒロインは目を疑った。
まさか、ここで会うなんて――
「レノ…」
「ヒロイン?」
ユフィが怪訝そうに眉をひそめる。
ヒロインはにっこり笑うと、ユフィにクラウドたちといるように促した。
「え、でも――」
一人で大丈夫かと、ユフィの目が言う。
「あとで行くわ」
ユフィが去ると、二人の間に重い沈黙が降りた。
自然にしようとすればするほど、空気がぎこちなくなっていく。
レノがここに来た理由は一つしかない。
ついに逃げ場が、なくなった。
「あー、ヒロイン…」
レノが困ったように頭を掻いた。
「社長の所、行くんだよね」
ヒロインの発した一言で、レノが深い溜息をついた。
「あぁ」
レノが進んでここまで来たのではないことはわかった。
ヒロインはゆっくりとレノに近づいた。
「連れていって」
「…あぁ」
互いに一度も目を合わせることなく、二人は上へ向かうエレベーターに乗り込んだ。
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