2-7:提案
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「「ツォンさん!?」」
ヒロインとイリーナは同時に声の主の名を呼んだ。
すると、イリーナが眉をしかめたのが見えた。
何故ツォンの名を知っているのか。
そう訝しむイリーナの鋭い視線。
ヒロインは敢えて気付かない振りをして、ツォンに視線を向けた。
「…ヒロインと、エアリスも一緒か」
ツォンの目は、とても穏やかだった。
神羅ビルでの出来事が嘘だったと思ってしまうほど。
特にエアリスを見つめる目は温かい。
そっとエアリスの様子を伺うと、エアリスは少し困ったように俯いていた。
どうやら、ツォンがエアリスに対して抱いている感情に気付いていないわけではないらしい。
「イリーナ、彼らに私たちの任務の内容を教える必要はない」
しかし、ぴしゃりとイリーナを諫めたツォンの目は、あの時の無感情なものに戻っていた。
「すいません…ツォンさん」
さっきまでの威勢はどこへ行ったのか、イリーナがしゅんと小さくなった。
「お前たちには別の任務を与えてあったはずだ。行け。定時連絡を欠かすなよ」
「あっ!そうでした!」
イリーナが背筋を正した。
「それでは、私とルード先輩は、ジュノンの港へ向かったセフィロスを追い掛けます!」
「あ…」
ヒロインが思わず声を出したと同時に、ツォンとルードが頭を押さえて溜息を吐いた。
「…イリーナ、私の言葉の意味がわからなかったようだな」
「あっ!す、すいません…」
イリーナが顔を真っ赤にして、ますます小さくなった。
再度溜息をついたツォンが言った。
「…行け。セフィロスを逃がすなよ」
「はっ!」
イリーナとジュノンへ向かうため踵を返したルードが立ち止まった。
「レノが言っていた。怪我が直ったら挨拶したいと。親愛なる君たちに新しい武器を見せたいそうだ」
ヒロインの胸がずきっと痛んだ。
レノが任務に就いたら、会わないわけがない。
自分の気持ちの問題で、レノに心配は掛けたくない。
それまでに自然に振る舞えるようにしないと――
騒々しいタークスの新人が去り、辺りは静けさを取り戻した。
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ヒロインとイリーナは同時に声の主の名を呼んだ。
すると、イリーナが眉をしかめたのが見えた。
何故ツォンの名を知っているのか。
そう訝しむイリーナの鋭い視線。
ヒロインは敢えて気付かない振りをして、ツォンに視線を向けた。
「…ヒロインと、エアリスも一緒か」
ツォンの目は、とても穏やかだった。
神羅ビルでの出来事が嘘だったと思ってしまうほど。
特にエアリスを見つめる目は温かい。
そっとエアリスの様子を伺うと、エアリスは少し困ったように俯いていた。
どうやら、ツォンがエアリスに対して抱いている感情に気付いていないわけではないらしい。
「イリーナ、彼らに私たちの任務の内容を教える必要はない」
しかし、ぴしゃりとイリーナを諫めたツォンの目は、あの時の無感情なものに戻っていた。
「すいません…ツォンさん」
さっきまでの威勢はどこへ行ったのか、イリーナがしゅんと小さくなった。
「お前たちには別の任務を与えてあったはずだ。行け。定時連絡を欠かすなよ」
「あっ!そうでした!」
イリーナが背筋を正した。
「それでは、私とルード先輩は、ジュノンの港へ向かったセフィロスを追い掛けます!」
「あ…」
ヒロインが思わず声を出したと同時に、ツォンとルードが頭を押さえて溜息を吐いた。
「…イリーナ、私の言葉の意味がわからなかったようだな」
「あっ!す、すいません…」
イリーナが顔を真っ赤にして、ますます小さくなった。
再度溜息をついたツォンが言った。
「…行け。セフィロスを逃がすなよ」
「はっ!」
イリーナとジュノンへ向かうため踵を返したルードが立ち止まった。
「レノが言っていた。怪我が直ったら挨拶したいと。親愛なる君たちに新しい武器を見せたいそうだ」
ヒロインの胸がずきっと痛んだ。
レノが任務に就いたら、会わないわけがない。
自分の気持ちの問題で、レノに心配は掛けたくない。
それまでに自然に振る舞えるようにしないと――
騒々しいタークスの新人が去り、辺りは静けさを取り戻した。
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