2-6:恋慕
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社長室を出たその足で、レノはタークスのオフィスに向かった。
(前の狸親父と違って、頭のよろしいことで)
さしてレノとヒロインの関係に興味があるわけではなさそうだったが、どこか含みのあるルーファウスの態度が引っ掛かる。
お咎めなしと、そう単純な話でもなさそうだ。
一体どんな形で自分を利用しようというのか。
有能な若社長のまずはお手並み拝見と、レノは不敵に笑ってオフィスに入った。
「ただ今戻りました、と」
扉をくぐったレノの視界に飛び込んできたのは、見慣れぬ金髪の女性。
服装からするとタークスのようだが、全く見覚えがない。
すると、ツォンと話していた女性がレノに気付き振り返った。
女性というよりは、まだ少女と呼んでもいいようなあどけなさの残る顔を見て、彼女が新人であることが見て取れた。
「人員補充でタークスに配属されたイリーナだ」
「よろしくお願いします。レノ先輩」
イリーナが律儀に頭を下げたのに対し、レノは短く「よろしく」と言っただけで挨拶を済ませた。
新人の面倒を見る気など毛頭ないレノは、関わり合いになりたくないと、さっさと自分の席に着いた。
愛想のないレノに面食らった様子のイリーナも、それ以上何も言わずに席に着いた。
レノの、右斜め前に。
一瞬思わずレノは顔をしかめたが、大人気ないと自制して視線を反らした。
(ヒロインの席、なくなっちまったな)
タバコを吹かしながら、ぼんやり物思いに耽っていたレノの耳に、ツォンの声が届いた。
「イリーナはクラウドたちを追跡。レノはしばらくデスクワークだ」
現場から外されたレノは自分の耳を疑った。
ましてや普段の自分のポジションに新人などあり得ない。
理由を問い質そうと口を開きかけたところへ、それを見透かしていたようにツォンが一言付け加えた。
「優秀な人員を一人本社に残すようにと、社長直々の命令だ」
ヒロインとの接触を封じられたレノは、社長に早速してやられたと臍を噛んだ。
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(前の狸親父と違って、頭のよろしいことで)
さしてレノとヒロインの関係に興味があるわけではなさそうだったが、どこか含みのあるルーファウスの態度が引っ掛かる。
お咎めなしと、そう単純な話でもなさそうだ。
一体どんな形で自分を利用しようというのか。
有能な若社長のまずはお手並み拝見と、レノは不敵に笑ってオフィスに入った。
「ただ今戻りました、と」
扉をくぐったレノの視界に飛び込んできたのは、見慣れぬ金髪の女性。
服装からするとタークスのようだが、全く見覚えがない。
すると、ツォンと話していた女性がレノに気付き振り返った。
女性というよりは、まだ少女と呼んでもいいようなあどけなさの残る顔を見て、彼女が新人であることが見て取れた。
「人員補充でタークスに配属されたイリーナだ」
「よろしくお願いします。レノ先輩」
イリーナが律儀に頭を下げたのに対し、レノは短く「よろしく」と言っただけで挨拶を済ませた。
新人の面倒を見る気など毛頭ないレノは、関わり合いになりたくないと、さっさと自分の席に着いた。
愛想のないレノに面食らった様子のイリーナも、それ以上何も言わずに席に着いた。
レノの、右斜め前に。
一瞬思わずレノは顔をしかめたが、大人気ないと自制して視線を反らした。
(ヒロインの席、なくなっちまったな)
タバコを吹かしながら、ぼんやり物思いに耽っていたレノの耳に、ツォンの声が届いた。
「イリーナはクラウドたちを追跡。レノはしばらくデスクワークだ」
現場から外されたレノは自分の耳を疑った。
ましてや普段の自分のポジションに新人などあり得ない。
理由を問い質そうと口を開きかけたところへ、それを見透かしていたようにツォンが一言付け加えた。
「優秀な人員を一人本社に残すようにと、社長直々の命令だ」
ヒロインとの接触を封じられたレノは、社長に早速してやられたと臍を噛んだ。
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