2-4:記憶
ヒロイン
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社長室まで戻ったヒロインは、やっとのことでバレットの手を振りほどいた。
「私、一緒に行けないの」
ここまで来て強情なヒロインに対し、バレットの眉が吊り上がる。
「どうして?」
ティファもわけが分からないと首を振る。
「何かあったの?」
エアリスも心配そうに眉を寄せている。
だが、ヒロインは首を横に振った。
「私が逃げたら、レノが――」
「俺がどうしたんだ、と」
すぐ近くから聞こえてきたレノの声に、ヒロインははっと顔を上げた。
だだっ広い社長室の柱の一つに寄り掛かっていたレノが、澄ました顔でこちらを見ていた。
「タークス!」
レノの姿を認め、バレット、ティファ、レッド13が構えた。
「おっと。戦いにきたわけじゃないぞ、と」
レノがおどけた仕草で両手を上げる。
「あんたらの邪魔はしないから安心しろよ」
「じゃあ何しにきたのよ!」
エアリスが頬を膨らますと、レノがからかうように笑った。
「相変わらず俺は嫌われてるんだな」
「レノ…」
もう会わない、会えないと思っていたレノとの再会にヒロインの心が揺れる。
何故ここにレノが現れたのか、ヒロインにはその理由がわかっていた。
「連れ戻しにきたの?」
それを口に出したことで、ヒロインの心がぎりっと痛んだ。
レノの言うことならば素直に従うだろう。
そう意図して、神羅はレノに任務を与えたに違いない。
そして、本当にレノが任務を受けて、ここにいるとしたら?
それを考えただけで、ヒロインは身を裂かれるような気持ちになる。
仕方がないことと頭で割り切っても、気持ちは一向についてこない。
レノに任務だからと冷たく突き放されるぐらいなら――
「お願い。皆、先に行って。私なら…大丈夫」
ヒロインは気丈にも笑って、皆を促した。
「わかった。ヒロイン、待ってるから」
皆は困ったように顔を見合わせていたが、エアリスは一人ヒロインに頷くと、皆を連れて階下へ降りていった。
きっとエアリスはわかっているんだろう。
ヒロインは心の中でエアリスにお礼を言うと、レノに向き直った。
「私…逃げたりしないから」
ヒロインは精一杯の笑顔を作った。
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「私、一緒に行けないの」
ここまで来て強情なヒロインに対し、バレットの眉が吊り上がる。
「どうして?」
ティファもわけが分からないと首を振る。
「何かあったの?」
エアリスも心配そうに眉を寄せている。
だが、ヒロインは首を横に振った。
「私が逃げたら、レノが――」
「俺がどうしたんだ、と」
すぐ近くから聞こえてきたレノの声に、ヒロインははっと顔を上げた。
だだっ広い社長室の柱の一つに寄り掛かっていたレノが、澄ました顔でこちらを見ていた。
「タークス!」
レノの姿を認め、バレット、ティファ、レッド13が構えた。
「おっと。戦いにきたわけじゃないぞ、と」
レノがおどけた仕草で両手を上げる。
「あんたらの邪魔はしないから安心しろよ」
「じゃあ何しにきたのよ!」
エアリスが頬を膨らますと、レノがからかうように笑った。
「相変わらず俺は嫌われてるんだな」
「レノ…」
もう会わない、会えないと思っていたレノとの再会にヒロインの心が揺れる。
何故ここにレノが現れたのか、ヒロインにはその理由がわかっていた。
「連れ戻しにきたの?」
それを口に出したことで、ヒロインの心がぎりっと痛んだ。
レノの言うことならば素直に従うだろう。
そう意図して、神羅はレノに任務を与えたに違いない。
そして、本当にレノが任務を受けて、ここにいるとしたら?
それを考えただけで、ヒロインは身を裂かれるような気持ちになる。
仕方がないことと頭で割り切っても、気持ちは一向についてこない。
レノに任務だからと冷たく突き放されるぐらいなら――
「お願い。皆、先に行って。私なら…大丈夫」
ヒロインは気丈にも笑って、皆を促した。
「わかった。ヒロイン、待ってるから」
皆は困ったように顔を見合わせていたが、エアリスは一人ヒロインに頷くと、皆を連れて階下へ降りていった。
きっとエアリスはわかっているんだろう。
ヒロインは心の中でエアリスにお礼を言うと、レノに向き直った。
「私…逃げたりしないから」
ヒロインは精一杯の笑顔を作った。
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