2-4:記憶
ヒロイン
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拘束室を抜けた先も血の海だった。
そこらじゅうに転がる死体を目にし、ヒロインは沈痛な面持ちで立ち尽くした。
(一体誰が――)
クラウドたちがこんなことをするはずはない。
自分たち以外の誰かが、この特別ブロックに侵入したのだろうか。
鉄壁のセキュリティを誇る神羅ビルに、一日で何人もの侵入者を許したのはこれが初めてだろう。
ヒロインは周囲を慎重に見回しながら、歩を進めた。
拘束室を抜けた先は、ヒロインが連れてこられた科学部門のコンテナ置場だった。
そこも例に漏れず死体の山。
気分が悪くなるほどの血の匂いに、ヒロインは口と鼻を手で覆った。
歩みを止め、辺りを見回したヒロインの目に飛び込んできたのは、内側から破壊された何かの装置だった。
さっき来たときには気付かなかったが、ひしゃげたプレートには確かに『ジェノバ』と刻まれていた。
「ジェノバ…?」
不吉な予感がヒロインを襲う。
自分の体内にいる物と同じ名前。
ヒロインは一歩後退った。
そこにいただろう得体の知れないものは、自ら装置を破壊して外に出た。
一体どこへ?
――時は満ちた。
突然聞こえた声に、ヒロインは身を堅くした。
つい最近聞いた声。
忘れるはずがない。
支柱でヒロインが聞いた声と同じ。
さらに、紛れもなくあの時ヒロインに力を貸した主だとすぐにわかった。
「どこにいるの?」
ヒロインは四方八方を見回した。
――約束の時が来た。
声はヒロインの問いに答えることなく話を続けた。
「約束…?何を――」
――お前の願いを叶えてやろう。
――その代わり
「知って、る…?」
5年前に一度――
ヒロインは声に導かれるまま、さらに奥へと進んだ。
.
そこらじゅうに転がる死体を目にし、ヒロインは沈痛な面持ちで立ち尽くした。
(一体誰が――)
クラウドたちがこんなことをするはずはない。
自分たち以外の誰かが、この特別ブロックに侵入したのだろうか。
鉄壁のセキュリティを誇る神羅ビルに、一日で何人もの侵入者を許したのはこれが初めてだろう。
ヒロインは周囲を慎重に見回しながら、歩を進めた。
拘束室を抜けた先は、ヒロインが連れてこられた科学部門のコンテナ置場だった。
そこも例に漏れず死体の山。
気分が悪くなるほどの血の匂いに、ヒロインは口と鼻を手で覆った。
歩みを止め、辺りを見回したヒロインの目に飛び込んできたのは、内側から破壊された何かの装置だった。
さっき来たときには気付かなかったが、ひしゃげたプレートには確かに『ジェノバ』と刻まれていた。
「ジェノバ…?」
不吉な予感がヒロインを襲う。
自分の体内にいる物と同じ名前。
ヒロインは一歩後退った。
そこにいただろう得体の知れないものは、自ら装置を破壊して外に出た。
一体どこへ?
――時は満ちた。
突然聞こえた声に、ヒロインは身を堅くした。
つい最近聞いた声。
忘れるはずがない。
支柱でヒロインが聞いた声と同じ。
さらに、紛れもなくあの時ヒロインに力を貸した主だとすぐにわかった。
「どこにいるの?」
ヒロインは四方八方を見回した。
――約束の時が来た。
声はヒロインの問いに答えることなく話を続けた。
「約束…?何を――」
――お前の願いを叶えてやろう。
――その代わり
「知って、る…?」
5年前に一度――
ヒロインは声に導かれるまま、さらに奥へと進んだ。
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