2-4:記憶
ヒロイン
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膝を抱えたまま、いつのまにか眠ってしまっていたようだった。
慣れない態勢で寝てしまったため、身体が変な状態で硬直してしまっている。
目覚めたヒロインはギシギシ痛む身体を少しずつ解しながら、さっきまで見ていた夢を反芻した。
過去の出来事だったような気がするが、はっきりと思い出せない。
男が二人出てきたが、霞み掛かっていて姿形がはっきりしない。
すごく大事なことのような気はするのだが――
時間が経つにつれて、より不鮮明になる記憶に苛立ち、ヒロインは全て追い出すかのように頭を振った。
「ぎゃーっ!」
と、突然悲鳴が上がった。
断末魔の叫びに、ヒロインは身体を固くする。
辺りはすぐに何もなかったかのように静まり返った。
それが余計に不気味で、ヒロインは息を潜めた。
口元を手で押さえ、わずかな呼気すら漏らさないように気を付けた。
見つかってはいけない。
何故だかそんな気がして、ヒロインは部屋の隅で小さくなっていた。
どれくらいそうしていただろう。
さっきまでの出来事がまるで夢の続きのように思えてくるほど、辺りは何事もなかったかのように静かだった。
ヒロインは立ち上がると、恐る恐る部屋唯一の扉に近づいた。
震える手で、扉に触れる。
すると、それを待ち兼ねていたように音も立てず扉が開いた。
それに驚いたヒロインは慌てて手を引いた。
声を上げるのは必死で抑えたが、代わりに心臓が騒がしく脈を刻む。
ヒロインは一度深呼吸をして、拘束室から出た。
途端にむせ返るような濃い血臭がヒロインの鼻を刺激した。
そしてすぐそこには、男の死体。
ヒロインは思わず息を飲んだが、落ち着きを取り戻すと、冷静に状況を確認した。
死体の血が渇ききっていないことから、まだ殺されてそう時間は経っていない。
近くにまだ犯人がいるかもしれない。
ヒロインは震える足を叱咤し、拘束室のブロックを抜け出した。
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慣れない態勢で寝てしまったため、身体が変な状態で硬直してしまっている。
目覚めたヒロインはギシギシ痛む身体を少しずつ解しながら、さっきまで見ていた夢を反芻した。
過去の出来事だったような気がするが、はっきりと思い出せない。
男が二人出てきたが、霞み掛かっていて姿形がはっきりしない。
すごく大事なことのような気はするのだが――
時間が経つにつれて、より不鮮明になる記憶に苛立ち、ヒロインは全て追い出すかのように頭を振った。
「ぎゃーっ!」
と、突然悲鳴が上がった。
断末魔の叫びに、ヒロインは身体を固くする。
辺りはすぐに何もなかったかのように静まり返った。
それが余計に不気味で、ヒロインは息を潜めた。
口元を手で押さえ、わずかな呼気すら漏らさないように気を付けた。
見つかってはいけない。
何故だかそんな気がして、ヒロインは部屋の隅で小さくなっていた。
どれくらいそうしていただろう。
さっきまでの出来事がまるで夢の続きのように思えてくるほど、辺りは何事もなかったかのように静かだった。
ヒロインは立ち上がると、恐る恐る部屋唯一の扉に近づいた。
震える手で、扉に触れる。
すると、それを待ち兼ねていたように音も立てず扉が開いた。
それに驚いたヒロインは慌てて手を引いた。
声を上げるのは必死で抑えたが、代わりに心臓が騒がしく脈を刻む。
ヒロインは一度深呼吸をして、拘束室から出た。
途端にむせ返るような濃い血臭がヒロインの鼻を刺激した。
そしてすぐそこには、男の死体。
ヒロインは思わず息を飲んだが、落ち着きを取り戻すと、冷静に状況を確認した。
死体の血が渇ききっていないことから、まだ殺されてそう時間は経っていない。
近くにまだ犯人がいるかもしれない。
ヒロインは震える足を叱咤し、拘束室のブロックを抜け出した。
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