2-4:記憶
ヒロイン
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拘束室に入れられたヒロインは、部屋の隅で膝を抱えていた。
――俺たちもヒロインのことを思っているのを忘れないでくれ
最後にルードに言われた一言が重くのしかかる。
自分を犠牲にすることで誰かが助かるなら、それでもいいと思っていた。
そうすることで、利用されるしかなかった自分の命に意味が見出だせると信じていた。
「死ぬ理由が欲しかったのね…」
本気で生きたいなんて思ってなかった。
いつも意味のある死を求めていた。
神羅と対峙することを選んだのも、誰かを守りたかったからじゃない。
自分の死に場所として、それを選んだだけ。
いつも自分のことばかり考えていて、残される人の気持ちを一度も顧みたことがないのに、ヒロインは初めて気付いた。
「あんなにレノは私のこと思ってくれていたのに…」
それなのに自己犠牲を掲げる自分に酔って、また皆を傷つけたことに自己嫌悪し、ヒロインはさらに身体を小さくした。
――ヒロイン、一緒に逃げよう
ヒロインは迷うことなく、差し伸ばされた手を取った。
二人は必死で走った。
決して手を離すことなく。
薄気味悪い真夜中の山道をひたすら下る。
聞こえてくる不気味な泣き声も、暗闇も、何も怖くなかった。
その人がいるだけで、ヒロインは安心できた。
――俺がヒロインを愛してるわけないだろう
男は鼻で笑った。
――ヒロインはただのサンプルなんだから
信じてたのに。
一緒に逃げたことも、培養装置の外から泣きそうな顔で見ていたことも、全部偽りだったの?
――その男は、もう死んでいる
男が言った。
金髪の男の死体の傍で茫然と座り込むヒロインに向かって。
ヒロインはゆるゆると首を振った。
信じたくない。
――さっき、ごめんねって……そう、言ってたの
男は黙って聞いていた。
――何でよ…‥
――最期まで憎ませてよ…
――お前の願いを叶えてやろう
――他の何より、憎しみの記憶は強い
男が口元に笑みを浮かべた。
――その代わり…‥
.
――俺たちもヒロインのことを思っているのを忘れないでくれ
最後にルードに言われた一言が重くのしかかる。
自分を犠牲にすることで誰かが助かるなら、それでもいいと思っていた。
そうすることで、利用されるしかなかった自分の命に意味が見出だせると信じていた。
「死ぬ理由が欲しかったのね…」
本気で生きたいなんて思ってなかった。
いつも意味のある死を求めていた。
神羅と対峙することを選んだのも、誰かを守りたかったからじゃない。
自分の死に場所として、それを選んだだけ。
いつも自分のことばかり考えていて、残される人の気持ちを一度も顧みたことがないのに、ヒロインは初めて気付いた。
「あんなにレノは私のこと思ってくれていたのに…」
それなのに自己犠牲を掲げる自分に酔って、また皆を傷つけたことに自己嫌悪し、ヒロインはさらに身体を小さくした。
――ヒロイン、一緒に逃げよう
ヒロインは迷うことなく、差し伸ばされた手を取った。
二人は必死で走った。
決して手を離すことなく。
薄気味悪い真夜中の山道をひたすら下る。
聞こえてくる不気味な泣き声も、暗闇も、何も怖くなかった。
その人がいるだけで、ヒロインは安心できた。
――俺がヒロインを愛してるわけないだろう
男は鼻で笑った。
――ヒロインはただのサンプルなんだから
信じてたのに。
一緒に逃げたことも、培養装置の外から泣きそうな顔で見ていたことも、全部偽りだったの?
――その男は、もう死んでいる
男が言った。
金髪の男の死体の傍で茫然と座り込むヒロインに向かって。
ヒロインはゆるゆると首を振った。
信じたくない。
――さっき、ごめんねって……そう、言ってたの
男は黙って聞いていた。
――何でよ…‥
――最期まで憎ませてよ…
――お前の願いを叶えてやろう
――他の何より、憎しみの記憶は強い
男が口元に笑みを浮かべた。
――その代わり…‥
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