2-4:記憶
ヒロイン
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「拘束?」
レノは自分の耳を疑った。
5年前の事件調査後、ヒロインの抹殺命令は取り消されたはずだった。
レノの報告から、ジェノバ細胞を無効化されたヒロインが例え生きていようと神羅には無害だと判断されたからだ。
なのに、5年も経った今何故――
そんなレノの考えを読んだかのようにルードが言った。
「表向きは魔晄炉爆破容疑だが、宝条博士が実験サンプルとしてヒロインに興味を示してな」
ルードがくいっと中指でサングラスを押した。
そして、更に続いたルードの話にレノは眉を吊り上げた。
「…ヒロインはテロリストとレノの無事を条件に、サンプルになることを了承した」
「――どういう意味だ?」
「社長とハイデッカーが、ヒロインが逃げたら実験サンプルとしてお前を使うと脅したんだ」
サングラスの奥で伏せられたルードの目。
とても納得できないというルードの思いは、レノに痛いほど伝わった。
全く関係のない奴らが自分をだしにしてヒロインを拘束しようとしていることに激しい憤りを感じ、レノは拳が白くなるほど握り締めた。
それと同時に、ヒロインを苦しめている自分をこの場から消し去りたい衝動に駆られる。
「くそっ」
レノは握り締めた拳を力任せにマットに叩きつけた。
怒りをぶつけられたマットはそれを吸収することなく、振動となってレノの内と外を震わせた。
ヒロインの生きたいという願いも、レノのヒロインを守りたいという思いも、現実を前にしてはあまりに無力だった。
このまま何もしなければ、二度とヒロインには会えない。
宝条の手に掛かったサンプルの行く末を嫌というほど目にしてきたレノは、ヒロインのこの先を考えただけで身を裂かれる思いだった。
手をこまねいて見ていることなどできない。
「…ルード、ヒロインに――」
会わせてくれとレノが頼もうとしたとき、ルードの携帯が鳴った。
緊急を知らせる着信音にレノは眉をひそめた。
何か起こったのだろうか?
「――了解」
通話を終えたルードが、長い吐息と同時に耳を疑うような言葉を発した。
「社長が死んだ」
突然の訃報に、レノは息を飲んだ。
.
レノは自分の耳を疑った。
5年前の事件調査後、ヒロインの抹殺命令は取り消されたはずだった。
レノの報告から、ジェノバ細胞を無効化されたヒロインが例え生きていようと神羅には無害だと判断されたからだ。
なのに、5年も経った今何故――
そんなレノの考えを読んだかのようにルードが言った。
「表向きは魔晄炉爆破容疑だが、宝条博士が実験サンプルとしてヒロインに興味を示してな」
ルードがくいっと中指でサングラスを押した。
そして、更に続いたルードの話にレノは眉を吊り上げた。
「…ヒロインはテロリストとレノの無事を条件に、サンプルになることを了承した」
「――どういう意味だ?」
「社長とハイデッカーが、ヒロインが逃げたら実験サンプルとしてお前を使うと脅したんだ」
サングラスの奥で伏せられたルードの目。
とても納得できないというルードの思いは、レノに痛いほど伝わった。
全く関係のない奴らが自分をだしにしてヒロインを拘束しようとしていることに激しい憤りを感じ、レノは拳が白くなるほど握り締めた。
それと同時に、ヒロインを苦しめている自分をこの場から消し去りたい衝動に駆られる。
「くそっ」
レノは握り締めた拳を力任せにマットに叩きつけた。
怒りをぶつけられたマットはそれを吸収することなく、振動となってレノの内と外を震わせた。
ヒロインの生きたいという願いも、レノのヒロインを守りたいという思いも、現実を前にしてはあまりに無力だった。
このまま何もしなければ、二度とヒロインには会えない。
宝条の手に掛かったサンプルの行く末を嫌というほど目にしてきたレノは、ヒロインのこの先を考えただけで身を裂かれる思いだった。
手をこまねいて見ていることなどできない。
「…ルード、ヒロインに――」
会わせてくれとレノが頼もうとしたとき、ルードの携帯が鳴った。
緊急を知らせる着信音にレノは眉をひそめた。
何か起こったのだろうか?
「――了解」
通話を終えたルードが、長い吐息と同時に耳を疑うような言葉を発した。
「社長が死んだ」
突然の訃報に、レノは息を飲んだ。
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