2-3:拘束
ヒロイン
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ルードに連れられ階下に降りると、ルードがヒロインの拘束具を外した。
「…ありがとう」
ヒロインは下を向いたまま礼を述べた。
「大丈夫か?」
自分を気遣うルードの気持ちはうれしかったが、ヒロインには力なく頷くことしかできなかった。
(…結局、誰も守れない)
レノ、エアリス、クラウドたち。
目の前にあるものを無くすことしかできない。
関わりを持った人間が、ヒロインの問題に巻き込まれて不幸になっていく。
「…ダメね」
ヒロインは今ほど自分の無力を嘆いたことはなかった。
手の平に留まらず、落ちていくものが多すぎる。
両手を広げ、それに視線を向けていたヒロインは、ぎゅっと握り拳を作った。
「ヒロインは多くを望みすぎだ」
ヒロインは隣を歩くルードを見上げた。
下から覗き見ても、ルードの表情は読めなかったが、ヒロインはルードの落ち着いた語り口調に耳を傾けた。
「人が守れるものなど、たかが知れている。それに、レノはそんなに弱くない」
レノの長年の相棒であるルードの言葉だからこそ、ヒロインにはより重く響いた。
「そして、ヒロインが犠牲になることは望んでいない」
ヒロインは握り拳にさらに力を込めた。
「でも…私の代わりに誰かが傷つくのは嫌なの」
ヒロインはルードを見上げた。
サングラスの奥で、ルードの目が哀しげに伏せられたように見え、ヒロインの胸が痛む。
「…レノには、ヒロインが必要だ」
ルードの言葉は、ズキッとヒロインの心に突き刺さった。
「ヒロインが誰かを思うの同様、俺たちもヒロインのことを思っているのを忘れないでくれ」
67階にある拘束室に到着した。
静かにカードキーを使って扉を開けたルードはヒロインを促すと、何も言わずに扉を閉めた。
「他に道がないのよ…」
皆を守るには。
ルードの一言は堪えたが、八方塞がりの状況はどうしようもないと、ヒロインは目を閉じた。
To be Continued...
2007/01/02
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「…ありがとう」
ヒロインは下を向いたまま礼を述べた。
「大丈夫か?」
自分を気遣うルードの気持ちはうれしかったが、ヒロインには力なく頷くことしかできなかった。
(…結局、誰も守れない)
レノ、エアリス、クラウドたち。
目の前にあるものを無くすことしかできない。
関わりを持った人間が、ヒロインの問題に巻き込まれて不幸になっていく。
「…ダメね」
ヒロインは今ほど自分の無力を嘆いたことはなかった。
手の平に留まらず、落ちていくものが多すぎる。
両手を広げ、それに視線を向けていたヒロインは、ぎゅっと握り拳を作った。
「ヒロインは多くを望みすぎだ」
ヒロインは隣を歩くルードを見上げた。
下から覗き見ても、ルードの表情は読めなかったが、ヒロインはルードの落ち着いた語り口調に耳を傾けた。
「人が守れるものなど、たかが知れている。それに、レノはそんなに弱くない」
レノの長年の相棒であるルードの言葉だからこそ、ヒロインにはより重く響いた。
「そして、ヒロインが犠牲になることは望んでいない」
ヒロインは握り拳にさらに力を込めた。
「でも…私の代わりに誰かが傷つくのは嫌なの」
ヒロインはルードを見上げた。
サングラスの奥で、ルードの目が哀しげに伏せられたように見え、ヒロインの胸が痛む。
「…レノには、ヒロインが必要だ」
ルードの言葉は、ズキッとヒロインの心に突き刺さった。
「ヒロインが誰かを思うの同様、俺たちもヒロインのことを思っているのを忘れないでくれ」
67階にある拘束室に到着した。
静かにカードキーを使って扉を開けたルードはヒロインを促すと、何も言わずに扉を閉めた。
「他に道がないのよ…」
皆を守るには。
ルードの一言は堪えたが、八方塞がりの状況はどうしようもないと、ヒロインは目を閉じた。
To be Continued...
2007/01/02
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