2-3:拘束
ヒロイン
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「ヒロインっ!」
(名前――)
まだ、名前を呼んでくれる人がいる。
ヒロインは必死で目を開けた。
「ヒロイン!」
そこには、今にも零れそうなぐらい目にたくさんの涙を溜めたティファがいた。
「ティ、ファ…無事だったの?」
ティファが大きく縦に首を振った。
「でも、どうして――」
ヒロインはティファの手を借りて身体を起こし、近くにあった木製のコンテナに背を預けた。
ようやく身体に力が戻り、大きく息をついた。
「助けに来たの。神羅ビルに潜入して、宝条の後を付けたら、ヒロインがここに倒れてて…」
意識を失う前、宝条に何かを注射されたことを思い出し、ヒロインは腕を見た。
そこには注射針が刺さった跡が残っていたが、他にはさして変わった場所はない。
手を握ったり開いたりしてみたが、身体には特に異常はないようだった。
「ごめん、危険な目に遭わせて――」
「ううん、謝るのはこっちの方。ヒロインを巻き込んだのは、私たちだから」
ティファが申し訳なさそうにヒロインから視線を外した。
「違うわ。私が、自分で決めてここまで来たの。だから、気にしないで」
ヒロインは無理に明るく笑った。
神羅ビルに潜入したとあっては、捕まったらただでは済まない。
何とかしてティファたちを逃がさなければならない。
ヒロインはまだふらつく身体を叱咤し、立ち上がった。
「クラウドたちは?」
「エアリスを探してるの」
エアリスはマリンを助けるために捕まったのだと、ティファが説明した。
「エアリスを助けたら、クラウドたちと合流して逃げることになってる」
ヒロインはそう上手くいかないと考えていた。
警備の厳重な特別ブロックにどうやって侵入したかは知らないが、ここまで捕まっていないことが奇跡だ。
大勢で動いては目立つ上、一度警報が鳴れば、それこそ逃げ道などない。
まずはティファだけでも――
そう考え動きだそうとしたところへ、ヒロインの最も恐れていた事態が起こった。
ウーーー!
けたたましく警報が鳴った。
.
(名前――)
まだ、名前を呼んでくれる人がいる。
ヒロインは必死で目を開けた。
「ヒロイン!」
そこには、今にも零れそうなぐらい目にたくさんの涙を溜めたティファがいた。
「ティ、ファ…無事だったの?」
ティファが大きく縦に首を振った。
「でも、どうして――」
ヒロインはティファの手を借りて身体を起こし、近くにあった木製のコンテナに背を預けた。
ようやく身体に力が戻り、大きく息をついた。
「助けに来たの。神羅ビルに潜入して、宝条の後を付けたら、ヒロインがここに倒れてて…」
意識を失う前、宝条に何かを注射されたことを思い出し、ヒロインは腕を見た。
そこには注射針が刺さった跡が残っていたが、他にはさして変わった場所はない。
手を握ったり開いたりしてみたが、身体には特に異常はないようだった。
「ごめん、危険な目に遭わせて――」
「ううん、謝るのはこっちの方。ヒロインを巻き込んだのは、私たちだから」
ティファが申し訳なさそうにヒロインから視線を外した。
「違うわ。私が、自分で決めてここまで来たの。だから、気にしないで」
ヒロインは無理に明るく笑った。
神羅ビルに潜入したとあっては、捕まったらただでは済まない。
何とかしてティファたちを逃がさなければならない。
ヒロインはまだふらつく身体を叱咤し、立ち上がった。
「クラウドたちは?」
「エアリスを探してるの」
エアリスはマリンを助けるために捕まったのだと、ティファが説明した。
「エアリスを助けたら、クラウドたちと合流して逃げることになってる」
ヒロインはそう上手くいかないと考えていた。
警備の厳重な特別ブロックにどうやって侵入したかは知らないが、ここまで捕まっていないことが奇跡だ。
大勢で動いては目立つ上、一度警報が鳴れば、それこそ逃げ道などない。
まずはティファだけでも――
そう考え動きだそうとしたところへ、ヒロインの最も恐れていた事態が起こった。
ウーーー!
けたたましく警報が鳴った。
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