2-3:拘束
ヒロイン
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「さぁ来たまえ」
男に促されるまま、ヒロインは素直に従った。
フロアには所狭しと培養装置やらケージが並べられており、そのどれもに薄気味悪い生物が入れられていた。
神羅ビル内にこのような実験施設があったことにヒロインは驚きを隠せない。
男は最も開けた場所に着くと歩みを止め、ヒロインに振り返った。
「私は宝条だ。科学部門の統括をしている」
眼鏡の奥の瞳に宿る鈍い光に射抜かれ、ヒロインは半歩退いた。
「君が白の研究所で死んだと聞いたときは悲しかったよ。貴重なサンプルがなくなったんだからね」
ヒロインは人をサンプル扱いする宝条の神経にぞっとした。
研究所にいたときと全く同じ扱いを受けるであろうことは、容易に想像できた。
さらに宝条の話は続く。
そのほとんどが自分の手柄話と自慢話だったので、ヒロインの頭にはほとんど残らなかった。
「さて、まずはジェノバを起こすとしよう」
宝条が妖しく笑った。
後退りしたヒロインの身体を、いつのまに後ろにいたのか、一人の研究員が拘束する。
注射器を取り出した宝条がヒロインの腕を掴んだ。
「嫌っ…戻りたくない」
培養装置の中から眺めた景色に色はなかった。
白、白、白――
きっと、もう青い空は見れない。
注射針がヒロインの腕に刺さり、皮膚を破った。
ちくっとした痛みと共に、液体が体内に流れ込む。
冷たい。
そう感じる間もなく、ヒロインは意識を手放した。
最後に聞いたのは、宝条の言葉。
――リユニオン
その意味を知ることなく、ヒロインの意識は深く暗い場所へと落ちていった。
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男に促されるまま、ヒロインは素直に従った。
フロアには所狭しと培養装置やらケージが並べられており、そのどれもに薄気味悪い生物が入れられていた。
神羅ビル内にこのような実験施設があったことにヒロインは驚きを隠せない。
男は最も開けた場所に着くと歩みを止め、ヒロインに振り返った。
「私は宝条だ。科学部門の統括をしている」
眼鏡の奥の瞳に宿る鈍い光に射抜かれ、ヒロインは半歩退いた。
「君が白の研究所で死んだと聞いたときは悲しかったよ。貴重なサンプルがなくなったんだからね」
ヒロインは人をサンプル扱いする宝条の神経にぞっとした。
研究所にいたときと全く同じ扱いを受けるであろうことは、容易に想像できた。
さらに宝条の話は続く。
そのほとんどが自分の手柄話と自慢話だったので、ヒロインの頭にはほとんど残らなかった。
「さて、まずはジェノバを起こすとしよう」
宝条が妖しく笑った。
後退りしたヒロインの身体を、いつのまに後ろにいたのか、一人の研究員が拘束する。
注射器を取り出した宝条がヒロインの腕を掴んだ。
「嫌っ…戻りたくない」
培養装置の中から眺めた景色に色はなかった。
白、白、白――
きっと、もう青い空は見れない。
注射針がヒロインの腕に刺さり、皮膚を破った。
ちくっとした痛みと共に、液体が体内に流れ込む。
冷たい。
そう感じる間もなく、ヒロインは意識を手放した。
最後に聞いたのは、宝条の言葉。
――リユニオン
その意味を知ることなく、ヒロインの意識は深く暗い場所へと落ちていった。
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