2-3:拘束
ヒロイン
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沈黙。
物音一つしない静かな部屋。
まるで世界から隔絶されたようで、居心地が悪い。
何を話していいかわからず、ヒロインは下を向いたまま黙っていた。
聞きたいことはたくさんある。
レノのこと。
7番街のこと。
そして、クラウドたちのこと。
しかし、雰囲気がそうさせてくれなかった。
ツォンから感じる無言の圧力に、ヒロインは口を開くことすらできない。
凍り付いたような空気のせいで、息をすることすら憚られた。
しばらくして、外に目を遣ったままツォンが言った。
「レノは無事だ」
その言葉に、ヒロインは弾かれたように顔を上げた。
やっと一つ、心配していたことが消え、ヒロインの心も幾分軽くなる。
胸に手を当て、ヒロインは長い息を吐き出した。
「ヒロイン、あのとき何をしたんだ?」
冷酷な響きを帯びたツォンの声に、ヒロインはぎくりと身体を震わせた。
初めて向けられたツォンの視線は、恐れと戸惑いが入り交じったものだった。
いつも見守るようだった温かなものでは決してない。
ヒロインは口をつぐんだ。
あのとき何をしたか。
その答えはヒロインの中にもない。
ただ一つわかっていることがあるならば、あれは自身の意志で行ったことではないということ。
そして。
――力を貸してやろう
あのとき確かに声を聞いた。
昔に耳にしたことのある声音だったのは覚えている。
しかし、どこで?
簡単に見つからない答えに悩み、ヒロインは頭を振った。
「わかりません」
「そうか…」
ツォンが溜息混じりに言った。
さして感情の変化もないところを見ると、この答えをある程度予想していたようだ。
ヒロインは自分から話をすることもできず、下を向いたまま、ツォンが次の言葉を紡ぐのを待った。
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物音一つしない静かな部屋。
まるで世界から隔絶されたようで、居心地が悪い。
何を話していいかわからず、ヒロインは下を向いたまま黙っていた。
聞きたいことはたくさんある。
レノのこと。
7番街のこと。
そして、クラウドたちのこと。
しかし、雰囲気がそうさせてくれなかった。
ツォンから感じる無言の圧力に、ヒロインは口を開くことすらできない。
凍り付いたような空気のせいで、息をすることすら憚られた。
しばらくして、外に目を遣ったままツォンが言った。
「レノは無事だ」
その言葉に、ヒロインは弾かれたように顔を上げた。
やっと一つ、心配していたことが消え、ヒロインの心も幾分軽くなる。
胸に手を当て、ヒロインは長い息を吐き出した。
「ヒロイン、あのとき何をしたんだ?」
冷酷な響きを帯びたツォンの声に、ヒロインはぎくりと身体を震わせた。
初めて向けられたツォンの視線は、恐れと戸惑いが入り交じったものだった。
いつも見守るようだった温かなものでは決してない。
ヒロインは口をつぐんだ。
あのとき何をしたか。
その答えはヒロインの中にもない。
ただ一つわかっていることがあるならば、あれは自身の意志で行ったことではないということ。
そして。
――力を貸してやろう
あのとき確かに声を聞いた。
昔に耳にしたことのある声音だったのは覚えている。
しかし、どこで?
簡単に見つからない答えに悩み、ヒロインは頭を振った。
「わかりません」
「そうか…」
ツォンが溜息混じりに言った。
さして感情の変化もないところを見ると、この答えをある程度予想していたようだ。
ヒロインは自分から話をすることもできず、下を向いたまま、ツォンが次の言葉を紡ぐのを待った。
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