2-3:拘束
ヒロイン
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「レノ!」
ヒロインは確かに見た。
落ちる瞬間、レノが満足そうに笑ったのを。
「どうして…」
何で笑ってるの――?
ヒロインは揺れる足場を蹴って、空中に身を踊らせた。
迷いは一切なかった。
ティファに悲鳴混じりで呼ばれた気がしたが、ヒロインは振り返らなかった。
赤い尾を引いて落ちていくレノ。
ヒロインは必死にレノに向かって手を伸ばした。
(お願い――届いて!)
届かない。
遠い。
地面が近いという焦り。
大事なものが手の内を滑り落ちていく。
初めて感じる種の恐怖に、ヒロインは慄いた。
嫌。
無くしたくない。
「レノ!」
ヒロインは叫んだ。
届いて。
届いて――!
――力を貸してやろう
時間が、止まった。
そこは、無音の世界。
ヒロインは自分が空中に浮かんでいることに気付いた。
まるで水面に浮かぶ木の葉のようにゆらゆらと。
ヒロインはやけに冴えた意識の中、はっきりとレノを助けたいと願った。
すると、身体は物理法則に逆らったまま、ゆっくりとゆっくりと下へ降りていく。
手を伸ばした先には、青白い顔をしたレノがいた。
ヒロインはレノの手を取り、自分の方へ引き寄せ。
きつく抱き締めた。
レノの温もりを肌で感じ、ヒロインは目を閉じた。
死なないで、レノ――
.
ヒロインは確かに見た。
落ちる瞬間、レノが満足そうに笑ったのを。
「どうして…」
何で笑ってるの――?
ヒロインは揺れる足場を蹴って、空中に身を踊らせた。
迷いは一切なかった。
ティファに悲鳴混じりで呼ばれた気がしたが、ヒロインは振り返らなかった。
赤い尾を引いて落ちていくレノ。
ヒロインは必死にレノに向かって手を伸ばした。
(お願い――届いて!)
届かない。
遠い。
地面が近いという焦り。
大事なものが手の内を滑り落ちていく。
初めて感じる種の恐怖に、ヒロインは慄いた。
嫌。
無くしたくない。
「レノ!」
ヒロインは叫んだ。
届いて。
届いて――!
――力を貸してやろう
時間が、止まった。
そこは、無音の世界。
ヒロインは自分が空中に浮かんでいることに気付いた。
まるで水面に浮かぶ木の葉のようにゆらゆらと。
ヒロインはやけに冴えた意識の中、はっきりとレノを助けたいと願った。
すると、身体は物理法則に逆らったまま、ゆっくりとゆっくりと下へ降りていく。
手を伸ばした先には、青白い顔をしたレノがいた。
ヒロインはレノの手を取り、自分の方へ引き寄せ。
きつく抱き締めた。
レノの温もりを肌で感じ、ヒロインは目を閉じた。
死なないで、レノ――
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