2-2:崩壊
ヒロイン
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
――ヒロインにはまだまだ汚れてもらうよ
――この匂い…知ってる
泥と黴[かび]の匂い。
――昔に…‥
目を剥いた男の死体。
――まだダメか
赤く染まった手。
――これ、なぁんだ?
血塗れのナイフ。
そして――
金髪の…‥
――あなた、誰?
――時は満ちた
銀髪の――
――まだ死ぬのは早い
――もういいの
――死にたい
――お前の中の母が、再び私とお前を引き合わせる
――いや…‥
――もう放っておいて
――ねえ、ヒロイン
――俺のこと、忘れたの?
金髪の男性が、目を伏せた。
その姿は霞がかかっていてはっきりしなかったが、ヒロインにはとても悲しげに見えた。
――あなた、誰?
「ヒロイン!」
呼ばれてヒロインは目を開けた。
深い深い闇の底から浮かび上がるような感覚。
まだ自分のものとは思えない身体を叱咤し、ヒロインはゆっくりと起き上がった。
「よかった。大丈夫、ヒロイン?」
エアリスが心配そうに覗き込んできた。
まだ気持ち悪さはあったが、ヒロインは大丈夫だと軽く笑みを浮かべてみせた。
「ごめん。こんなところでゆっくりしてる場合じゃないのに…行きましょう」
――グオォオオ!
突然聞こえてきた腹の底に響く不気味な鳴き声に、全員が瞬時に構えた。
「コルネオは趣味の悪いペットを飼っているみたいね」
立ち上がったヒロインは、声が聞こえたほうに銃口を向け、躊躇いなく引金を引いた。
――ギャアァアア!
先程とは違う種類の鳴き声に続いて起こったのは、地響きだった。
「行きましょうか」
呆気に取られている3人に向かって、ヒロインは涼しい顔をした。
.
――この匂い…知ってる
泥と黴[かび]の匂い。
――昔に…‥
目を剥いた男の死体。
――まだダメか
赤く染まった手。
――これ、なぁんだ?
血塗れのナイフ。
そして――
金髪の…‥
――あなた、誰?
――時は満ちた
銀髪の――
――まだ死ぬのは早い
――もういいの
――死にたい
――お前の中の母が、再び私とお前を引き合わせる
――いや…‥
――もう放っておいて
――ねえ、ヒロイン
――俺のこと、忘れたの?
金髪の男性が、目を伏せた。
その姿は霞がかかっていてはっきりしなかったが、ヒロインにはとても悲しげに見えた。
――あなた、誰?
「ヒロイン!」
呼ばれてヒロインは目を開けた。
深い深い闇の底から浮かび上がるような感覚。
まだ自分のものとは思えない身体を叱咤し、ヒロインはゆっくりと起き上がった。
「よかった。大丈夫、ヒロイン?」
エアリスが心配そうに覗き込んできた。
まだ気持ち悪さはあったが、ヒロインは大丈夫だと軽く笑みを浮かべてみせた。
「ごめん。こんなところでゆっくりしてる場合じゃないのに…行きましょう」
――グオォオオ!
突然聞こえてきた腹の底に響く不気味な鳴き声に、全員が瞬時に構えた。
「コルネオは趣味の悪いペットを飼っているみたいね」
立ち上がったヒロインは、声が聞こえたほうに銃口を向け、躊躇いなく引金を引いた。
――ギャアァアア!
先程とは違う種類の鳴き声に続いて起こったのは、地響きだった。
「行きましょうか」
呆気に取られている3人に向かって、ヒロインは涼しい顔をした。
.