2-2:崩壊
ヒロイン
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
翌日、伍番魔晄炉が爆破されてからまもなくのことだった。
バレットたちに付いていったはずのティファが煤塗れで帰ってきた。
7番街スラムにまで伝わった地鳴りから、ヒロインにもおおよそのことは想像が付いていた。
何も触れずにヒロインはティファを招き入れ、お湯で濡らしたタオルを差し出した。
「どうぞ」
しかし、いつも快活なはずの彼女は、こぶしを膝の上できつく握ったまま動かない。
ティファの異変に気付いたヒロインは、隣に屈んで顔を覗き込んだ。
「どうしたの?」
ヒロインが首を傾げて待つと、ティファの大きな瞳が潤み始め、やがて大きな涙の粒がこぶしに落ちて弾けた。
「ヒロインっ…!クラウドが――」
神羅の罠に填まり、クラウドが魔晄炉の通路から落ちたこと、生死不明であることをティファが途切れ途切れに話し出した。
時折しゃくり上げるティファの背を撫でながら、ヒロインはティファに掛ける言葉を探していた。
――泣くな
――俺が守ってやる
思い出すのはいつも自分を気に掛けてくれていたレノの言葉。
(いつも励まされてばかりだったんだ…)
もう、守ってもらってばかりじゃいけない。
ヒロインはふわりと微笑んで、優しくティファの頭を撫でた。
「大丈夫。クラウドは絶対帰ってくるわ。ソルジャーはちょっとやそっとじゃ死なないから」
だから顔、上げて。
忙しなく上下していたティファの胸が緩やかなリズムを刻み出した。
不安に揺れる瞳はそのままだったが、落ち着きを取り戻したティファがヒロインの差し出すタオルを笑顔で受け取った。
.
バレットたちに付いていったはずのティファが煤塗れで帰ってきた。
7番街スラムにまで伝わった地鳴りから、ヒロインにもおおよそのことは想像が付いていた。
何も触れずにヒロインはティファを招き入れ、お湯で濡らしたタオルを差し出した。
「どうぞ」
しかし、いつも快活なはずの彼女は、こぶしを膝の上できつく握ったまま動かない。
ティファの異変に気付いたヒロインは、隣に屈んで顔を覗き込んだ。
「どうしたの?」
ヒロインが首を傾げて待つと、ティファの大きな瞳が潤み始め、やがて大きな涙の粒がこぶしに落ちて弾けた。
「ヒロインっ…!クラウドが――」
神羅の罠に填まり、クラウドが魔晄炉の通路から落ちたこと、生死不明であることをティファが途切れ途切れに話し出した。
時折しゃくり上げるティファの背を撫でながら、ヒロインはティファに掛ける言葉を探していた。
――泣くな
――俺が守ってやる
思い出すのはいつも自分を気に掛けてくれていたレノの言葉。
(いつも励まされてばかりだったんだ…)
もう、守ってもらってばかりじゃいけない。
ヒロインはふわりと微笑んで、優しくティファの頭を撫でた。
「大丈夫。クラウドは絶対帰ってくるわ。ソルジャーはちょっとやそっとじゃ死なないから」
だから顔、上げて。
忙しなく上下していたティファの胸が緩やかなリズムを刻み出した。
不安に揺れる瞳はそのままだったが、落ち着きを取り戻したティファがヒロインの差し出すタオルを笑顔で受け取った。
.