2-2:崩壊
ヒロイン
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「どうした、ヒロイン?」
皆が地下に降り、火薬の匂いが薄くなったフロアに再びきつい硝煙の匂いが立ちこめた。
その主に気付いたヒロインは顔を上げた。
「クラウド」
ヒロインは何でもないとだけ言うと、ティファに気を遣ってカウンターから出た。
ティファとクラウドが幼なじみだと聞いていたし、ティファがクラウドにそれ以上の感情を抱いていることも知っていたからだ。
「もう上がるのか?」
「ん、お客さんいないからね」
残念そうな声色のクラウドに対し、わざと素っ気なく返答したヒロインはティファにまた明日と挨拶をしてセブンスヘブンを出た。
街灯も疎らなスラム街。
薄暗くて見えないと知りながら、ヒロインは頭上のプレートを見上げた。
きっと今頃、レノは走り回っているんだろう。
事件の後始末に追われて。
途中耳にした壱番魔晄炉爆破のニュースを思い出し、ヒロインは複雑な表情を浮かべた。
恐らく実行したアバランチという組織はバレットたちのこと。
自分が傷つきたくなくて知らない振りをした結果が、これ。
大勢の人が死んだ。
反神羅組織の手によって。
神羅の――タークスの情報収集能力を以てすれば、数日と経たないうちに捜査網に掛かるだろう。
このままでは、遅かれ早かれ神羅と接触するときがやってくる。
そのとき自分はどちらの側に立っているんだろう。
元タークスの自分と神羅に追われる自分。
答えのない問いに、ヒロインは視線を足元に落とした。
ヒロインは心の隅に不安を抱いたまま、7番街スラムの端にある自宅へと帰った。
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皆が地下に降り、火薬の匂いが薄くなったフロアに再びきつい硝煙の匂いが立ちこめた。
その主に気付いたヒロインは顔を上げた。
「クラウド」
ヒロインは何でもないとだけ言うと、ティファに気を遣ってカウンターから出た。
ティファとクラウドが幼なじみだと聞いていたし、ティファがクラウドにそれ以上の感情を抱いていることも知っていたからだ。
「もう上がるのか?」
「ん、お客さんいないからね」
残念そうな声色のクラウドに対し、わざと素っ気なく返答したヒロインはティファにまた明日と挨拶をしてセブンスヘブンを出た。
街灯も疎らなスラム街。
薄暗くて見えないと知りながら、ヒロインは頭上のプレートを見上げた。
きっと今頃、レノは走り回っているんだろう。
事件の後始末に追われて。
途中耳にした壱番魔晄炉爆破のニュースを思い出し、ヒロインは複雑な表情を浮かべた。
恐らく実行したアバランチという組織はバレットたちのこと。
自分が傷つきたくなくて知らない振りをした結果が、これ。
大勢の人が死んだ。
反神羅組織の手によって。
神羅の――タークスの情報収集能力を以てすれば、数日と経たないうちに捜査網に掛かるだろう。
このままでは、遅かれ早かれ神羅と接触するときがやってくる。
そのとき自分はどちらの側に立っているんだろう。
元タークスの自分と神羅に追われる自分。
答えのない問いに、ヒロインは視線を足元に落とした。
ヒロインは心の隅に不安を抱いたまま、7番街スラムの端にある自宅へと帰った。
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