2-2:崩壊
ヒロイン
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「――?ヒロイン?」
突然声を掛けられたヒロインはびくっと身体を震わせ、声がした方に顔を向けた。
「どうしたの?ぼーっとして」
そこには苦笑しながらこちらを覗き込むティファがいた。
「あ、ごめん。何でもないの」
ヒロインはわずかに熱くなった頬を隠すように、顔の前で両手を振った。
我に返ったヒロインは、カウンターから店内に目を遣った。
ここはセブンスヘブン。
7番街スラムにあるティファのお店だ。
自分に言い聞かせるように、ヒロインは心の中で反芻した。
「2ヵ月も経つのに、まだ現実味がないって顔してる」
「そう、かな」
「うん」
ティファにあっさり肯定され、ヒロインは決まり悪く視線を泳がせた。
2ヵ月前。
行き場がなくて困り果てていたところに声を掛けてくれたのがティファだった。
よかったら働かないかという誘いに甘え、今こうして7番街に腰を落ち着けることになった。
ときたま地下で、片腕が銃の男性――バレットやティファと何人かがあまり穏やかではない密会をしていたが、ヒロインは気付かぬ振りをしていた。
「おう!帰ったぞ!」
威勢のいい濁声と共に店に入ってきたのはバレット。
ヒロインはすぐに火薬の匂いを嗅ぎ取り、わからない程度に顔をしかめた。
今日は、たくさん人が死んだ。
確信に近いものを抱いたヒロインの胸がぎりっと痛んだ。
大勢いた客はバレットに追い出され、代わりに入ってきたのはいつもの面々。
彼らも一様に火薬の匂いを身に纏ったまま、地下に下りていった。
その様子を横目で見ながら、ヒロインは小さく溜息をついた。
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突然声を掛けられたヒロインはびくっと身体を震わせ、声がした方に顔を向けた。
「どうしたの?ぼーっとして」
そこには苦笑しながらこちらを覗き込むティファがいた。
「あ、ごめん。何でもないの」
ヒロインはわずかに熱くなった頬を隠すように、顔の前で両手を振った。
我に返ったヒロインは、カウンターから店内に目を遣った。
ここはセブンスヘブン。
7番街スラムにあるティファのお店だ。
自分に言い聞かせるように、ヒロインは心の中で反芻した。
「2ヵ月も経つのに、まだ現実味がないって顔してる」
「そう、かな」
「うん」
ティファにあっさり肯定され、ヒロインは決まり悪く視線を泳がせた。
2ヵ月前。
行き場がなくて困り果てていたところに声を掛けてくれたのがティファだった。
よかったら働かないかという誘いに甘え、今こうして7番街に腰を落ち着けることになった。
ときたま地下で、片腕が銃の男性――バレットやティファと何人かがあまり穏やかではない密会をしていたが、ヒロインは気付かぬ振りをしていた。
「おう!帰ったぞ!」
威勢のいい濁声と共に店に入ってきたのはバレット。
ヒロインはすぐに火薬の匂いを嗅ぎ取り、わからない程度に顔をしかめた。
今日は、たくさん人が死んだ。
確信に近いものを抱いたヒロインの胸がぎりっと痛んだ。
大勢いた客はバレットに追い出され、代わりに入ってきたのはいつもの面々。
彼らも一様に火薬の匂いを身に纏ったまま、地下に下りていった。
その様子を横目で見ながら、ヒロインは小さく溜息をついた。
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