2-2:崩壊
ヒロイン
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「――撃てるわけないだろ」
レノは不敵に笑い、ヒロインの手から銃を奪った。
クラウドが射殺しそうなほど睨み付けてきたが、レノはそれをふんと鼻で笑い飛ばした。
「さ、そろそろ時間だな」
レノの一言を合図に、足元から爆発音が鳴り響いた。
大きく波打つように床が揺れる。
全く身構えていなかったレノ以外の人間は、足元を掬われ床に倒れた。
そんな中、安定を欠いたフロアで器用にバランスを取っていたレノは、近くにいるヒロインを抱き寄せた。
「行くぞ、と」
そのままレノはヘリが来る手筈になっている地点に足を向ける。
「嫌!離して!」
時間がない中、腕の中で暴れるヒロインを半ば引きずる形でレノは歩を進めた。
「おとなしくしろよ、と。じゃないと、爆発に巻き込まれて死ぬぞ」
「死んだって構わない!」
売り言葉に買い言葉。
はっとしたようにヒロインが自分の口を押さえた。
口を突いて出た、そんな感じではあったが、レノは興が覚めた目で一度ヒロインに目を遣り、解放した。
――死にたくない…
あの時、生きたいと涙を流したヒロインは、ここにはいなかった。
「死にたいなら、さっさと死ねよ」
冷たく言い放つと、レノはヒロインに背を向けた。
「っ…」
唇を噛んで俯いたヒロインの押し殺した嗚咽を聞き、レノの胸が軋んだ。
(こんなことを言いたいんじゃない…)
もしもう一度会えるなら。
その日を夢見て考えていた台詞も、伝えたいこともたくさんあったのに、言葉が出てこない。
口から放たれる言葉はヒロインを傷つけ、自分の心も傷つける。
手摺りをきつく掴んだレノの手から血の気が失せ、すっかり白くなった。
.
レノは不敵に笑い、ヒロインの手から銃を奪った。
クラウドが射殺しそうなほど睨み付けてきたが、レノはそれをふんと鼻で笑い飛ばした。
「さ、そろそろ時間だな」
レノの一言を合図に、足元から爆発音が鳴り響いた。
大きく波打つように床が揺れる。
全く身構えていなかったレノ以外の人間は、足元を掬われ床に倒れた。
そんな中、安定を欠いたフロアで器用にバランスを取っていたレノは、近くにいるヒロインを抱き寄せた。
「行くぞ、と」
そのままレノはヘリが来る手筈になっている地点に足を向ける。
「嫌!離して!」
時間がない中、腕の中で暴れるヒロインを半ば引きずる形でレノは歩を進めた。
「おとなしくしろよ、と。じゃないと、爆発に巻き込まれて死ぬぞ」
「死んだって構わない!」
売り言葉に買い言葉。
はっとしたようにヒロインが自分の口を押さえた。
口を突いて出た、そんな感じではあったが、レノは興が覚めた目で一度ヒロインに目を遣り、解放した。
――死にたくない…
あの時、生きたいと涙を流したヒロインは、ここにはいなかった。
「死にたいなら、さっさと死ねよ」
冷たく言い放つと、レノはヒロインに背を向けた。
「っ…」
唇を噛んで俯いたヒロインの押し殺した嗚咽を聞き、レノの胸が軋んだ。
(こんなことを言いたいんじゃない…)
もしもう一度会えるなら。
その日を夢見て考えていた台詞も、伝えたいこともたくさんあったのに、言葉が出てこない。
口から放たれる言葉はヒロインを傷つけ、自分の心も傷つける。
手摺りをきつく掴んだレノの手から血の気が失せ、すっかり白くなった。
.