2-2:崩壊
ヒロイン
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
あれが空耳であればどんなによかっただろう――
レノの振り返った先には、あんなにも会いたいと願った人がいた。
「ヒロイン…?」
ほっそりした身体も、長い艶やかな黒髪も、あの深い海色をした瞳も、声も。
全てがあのときのままだった。
懐かしさ、うれしさ、そして苦しさ。
いろんな感情が巻き起こり、レノの喉を詰まらせる。
会いたかった。
ふと思い浮かんだ言葉だったが、それはレノが最もヒロインに伝えたかった言葉でもあった。
しかし、佇むヒロインは悲しげに顔を曇らせ、胸の前でぎゅっと両手を握り締めていた。
「どうして…?」
ヒロインの口から放たれたのは否定の言葉。
再会の喜びには程遠い感情の籠もったそれは、レノの心を抉るように傷つけた。
何も感じないと思っていた心は、ヒロインの言葉を受けて容易く揺れた。
からからに干上がった喉に無理矢理唾を通し、レノはわざとらしく口元を歪めた。
自分を保とうと、手に馴染んだロッドの柄をきつく握る。
「ヒロイン、下がってろ」
金髪の男が大剣を構え、ヒロインを背に庇った。
その行為がさらにレノを苛立たせる。
「お前に用はないぞ、と」
レノは苛立ちを抑え、わざと男を挑発した。
金髪の男――クラウドが剣を構える。
「クラウド!時間がないわ!」
自ら拳を握り、構えた女性の声を合図に、クラウドが大剣を軽々と振り上げ、一気に間合いを詰めてくる。
レノは余裕を持って躱し、逆にクラウドの背後に回り込んでロッドを振り上げた。
(取った――!)
確かな手応えを感じ、思わず口の片端を持ち上げた。
そこへ。
ひゅっ!
突然の小気味いい風切り音とともにレノに殺気が迫る。
考えるより先に身体が動いた。
手にしたロッドを逆手に持ち直すと、そのまま力任せに振って女の蹴りを弾いた。
その反動を無駄なく利用し、レノは一度距離を開ける。
しかし休む間もなく、次は大柄な男の腕から放たれた銃弾がレノを襲った。
「ちっ!」
さすがに3人相手は分が悪いか。
十分に距離を開け、レノは短く息を吐き出した。
.
レノの振り返った先には、あんなにも会いたいと願った人がいた。
「ヒロイン…?」
ほっそりした身体も、長い艶やかな黒髪も、あの深い海色をした瞳も、声も。
全てがあのときのままだった。
懐かしさ、うれしさ、そして苦しさ。
いろんな感情が巻き起こり、レノの喉を詰まらせる。
会いたかった。
ふと思い浮かんだ言葉だったが、それはレノが最もヒロインに伝えたかった言葉でもあった。
しかし、佇むヒロインは悲しげに顔を曇らせ、胸の前でぎゅっと両手を握り締めていた。
「どうして…?」
ヒロインの口から放たれたのは否定の言葉。
再会の喜びには程遠い感情の籠もったそれは、レノの心を抉るように傷つけた。
何も感じないと思っていた心は、ヒロインの言葉を受けて容易く揺れた。
からからに干上がった喉に無理矢理唾を通し、レノはわざとらしく口元を歪めた。
自分を保とうと、手に馴染んだロッドの柄をきつく握る。
「ヒロイン、下がってろ」
金髪の男が大剣を構え、ヒロインを背に庇った。
その行為がさらにレノを苛立たせる。
「お前に用はないぞ、と」
レノは苛立ちを抑え、わざと男を挑発した。
金髪の男――クラウドが剣を構える。
「クラウド!時間がないわ!」
自ら拳を握り、構えた女性の声を合図に、クラウドが大剣を軽々と振り上げ、一気に間合いを詰めてくる。
レノは余裕を持って躱し、逆にクラウドの背後に回り込んでロッドを振り上げた。
(取った――!)
確かな手応えを感じ、思わず口の片端を持ち上げた。
そこへ。
ひゅっ!
突然の小気味いい風切り音とともにレノに殺気が迫る。
考えるより先に身体が動いた。
手にしたロッドを逆手に持ち直すと、そのまま力任せに振って女の蹴りを弾いた。
その反動を無駄なく利用し、レノは一度距離を開ける。
しかし休む間もなく、次は大柄な男の腕から放たれた銃弾がレノを襲った。
「ちっ!」
さすがに3人相手は分が悪いか。
十分に距離を開け、レノは短く息を吐き出した。
.