2-1:邂逅
ヒロイン
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しかし、その考えは実行に移されなかった。
「どこの誰だか知らないが……知らない…?」
一緒にいる男――クラウドがわずかにレノより早く話し出した。
しかし、どうも様子がおかしい。
一瞬クラウドの瞳が動揺と不安で揺れたのを、レノは見逃さなかった。
そして、そのとき初めてクラウドの瞳がソルジャー特有の色を持っていることに気付いた。
「そうだ…俺は知っている。その制服は…」
男のどこか不安定な空気に、レノは眉をひそめる。
「レノさん、やっちゃいますか?」
後ろにいる神羅兵も同じものを感じたのか、落ち着かない様子でマシンガンを構えている。
「考え中だぞ、と」
レノは片手を上げて神羅兵を制した。
あくまで任務は古代種を連れ帰ることであり、殺してしまっては元も子もない。
レノはエアリスと男が教会の奥へと逃げていくのも止めなかった。
どうせこの先は行き止まりだ。
焦ることはない。
レノはさっきの男を思い出しながら、ゆっくりと足を進めた。
(あれは…魔晄の目)
ソルジャーになった者だけが持つのを許された色。
しかし、レノは先程の男に心当たりがなかった。
あの大剣のことといい、男といい、頭を悩ませることが多すぎる。
面倒事を追い払うようにレノは頭を掻いた。
「ま、いっか。お仕事お仕事、と」
ぐしゃ。
「ん?」
足元から聞こえてきた音に眉をひそめ、ゆっくりと視線を落とした先。
――お花、踏まないでほしいの。
足元から顔を覗かせた一輪の花。
それは、潰されてなお、健気に顔をこちらに向けていた。
――元気に育つといいね。
あの日の帰り道、ヒロインは綻ぶように笑った。
そのヒロインの笑顔と足元の花が重なる。
「…ヒロイン」
足を退けたレノは、過去を振り払うように急ぎ足で二人を追い掛けた。
後ろでは神羅兵たちがレノを揶揄していたが、レノの耳には届いていなかった。
――また、二人で見にこようね、レノ。
.
「どこの誰だか知らないが……知らない…?」
一緒にいる男――クラウドがわずかにレノより早く話し出した。
しかし、どうも様子がおかしい。
一瞬クラウドの瞳が動揺と不安で揺れたのを、レノは見逃さなかった。
そして、そのとき初めてクラウドの瞳がソルジャー特有の色を持っていることに気付いた。
「そうだ…俺は知っている。その制服は…」
男のどこか不安定な空気に、レノは眉をひそめる。
「レノさん、やっちゃいますか?」
後ろにいる神羅兵も同じものを感じたのか、落ち着かない様子でマシンガンを構えている。
「考え中だぞ、と」
レノは片手を上げて神羅兵を制した。
あくまで任務は古代種を連れ帰ることであり、殺してしまっては元も子もない。
レノはエアリスと男が教会の奥へと逃げていくのも止めなかった。
どうせこの先は行き止まりだ。
焦ることはない。
レノはさっきの男を思い出しながら、ゆっくりと足を進めた。
(あれは…魔晄の目)
ソルジャーになった者だけが持つのを許された色。
しかし、レノは先程の男に心当たりがなかった。
あの大剣のことといい、男といい、頭を悩ませることが多すぎる。
面倒事を追い払うようにレノは頭を掻いた。
「ま、いっか。お仕事お仕事、と」
ぐしゃ。
「ん?」
足元から聞こえてきた音に眉をひそめ、ゆっくりと視線を落とした先。
――お花、踏まないでほしいの。
足元から顔を覗かせた一輪の花。
それは、潰されてなお、健気に顔をこちらに向けていた。
――元気に育つといいね。
あの日の帰り道、ヒロインは綻ぶように笑った。
そのヒロインの笑顔と足元の花が重なる。
「…ヒロイン」
足を退けたレノは、過去を振り払うように急ぎ足で二人を追い掛けた。
後ろでは神羅兵たちがレノを揶揄していたが、レノの耳には届いていなかった。
――また、二人で見にこようね、レノ。
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