2-1:邂逅
ヒロイン
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「うるさいぞ、と。仕事だって言ってるだろ」
レノは携帯に向かってぞんざいな口をききながら、足元に転がる鉄屑を蹴飛ばした。
それはカランカランと音を立て、金属で出来た通路を転がる。
「あ?知るかよ。俺はそんなこと言った覚えはないぞ、と」
カラン――
最後に乾いた音を立て、それは深い穴に落ちていった。
「――じゃあな」
レノは苦々しげに舌打ちをして、一方的に通話を打ち切った。
「また女か?」
すぐ前を歩いていた相棒のルードが振り返りもせずに言った。
「まぁな。はぁ…女ってやつは面倒だぞ、と」
レノはまた鉄屑を蹴った。
今度はそのまま吸い込まれるように下に落ちていった。
「そう思うなら、もう止めることだな」
諫めるようなルードの口調に、自然とレノの眉間に皺が寄る。
何か反論しようとしたとき、ルードが立ち止まった。
その背中にぶつかりかかったレノは、慌てて距離を開けて足を止めた。
「おいおい、急に――」
文句の一つでも言ってやろうとしたとき、ルードが振り返り、言った。
「自分を誤魔化すのをな」
それだけ言うと、ルードはレノを置いて先に進んで行った。
すべて見透かされたような気分になり、レノは困ったような、情けないような顔をした。
「こうでもしないと、埋まらないんだぞ、と」
レノは頭を掻いて、ルードの後を追った。
そう。
あれから5年も経つけど、まだ埋まらないんだ。
もう一度会えるなら、悪魔にだって魂を売ってもいい。
ヒロイン――
.
レノは携帯に向かってぞんざいな口をききながら、足元に転がる鉄屑を蹴飛ばした。
それはカランカランと音を立て、金属で出来た通路を転がる。
「あ?知るかよ。俺はそんなこと言った覚えはないぞ、と」
カラン――
最後に乾いた音を立て、それは深い穴に落ちていった。
「――じゃあな」
レノは苦々しげに舌打ちをして、一方的に通話を打ち切った。
「また女か?」
すぐ前を歩いていた相棒のルードが振り返りもせずに言った。
「まぁな。はぁ…女ってやつは面倒だぞ、と」
レノはまた鉄屑を蹴った。
今度はそのまま吸い込まれるように下に落ちていった。
「そう思うなら、もう止めることだな」
諫めるようなルードの口調に、自然とレノの眉間に皺が寄る。
何か反論しようとしたとき、ルードが立ち止まった。
その背中にぶつかりかかったレノは、慌てて距離を開けて足を止めた。
「おいおい、急に――」
文句の一つでも言ってやろうとしたとき、ルードが振り返り、言った。
「自分を誤魔化すのをな」
それだけ言うと、ルードはレノを置いて先に進んで行った。
すべて見透かされたような気分になり、レノは困ったような、情けないような顔をした。
「こうでもしないと、埋まらないんだぞ、と」
レノは頭を掻いて、ルードの後を追った。
そう。
あれから5年も経つけど、まだ埋まらないんだ。
もう一度会えるなら、悪魔にだって魂を売ってもいい。
ヒロイン――
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