研究所の崩落後、すぐに神羅の部隊がやってきて調査を開始した。



　同じようにやってきたヴェルドとツォンに、レノは実感の伴わない声音でヒロインが死んだと告げた。




「任務完了です、と」




　それだけ言うと、レノはさっさとヘリに乗り込み、ミッドガルに帰還した。




























　数日後、レノはヴェルドから報告を受けた。




　研究所の跡地からは、ヒロインの遺体も研究員の遺体も出なかった、と。



















　ヒロインがほんのわずかな期間生活していた部屋の前にレノは立った。




　今ではもう、ヒロインの残り香も消えかかっていた。
















　ヒロインはいなくなった。



　一緒にいた時間も、今ではまるで実感がなかった。





　全てが幻だったかのように。












「ありがとう」






　レノは最後に一言呟くと、静かにヒロインの部屋の扉を閉めた。



END


2006/05/28


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