1-12:Truth
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「レノ…ザックス…ありがとう…‥」
ヒロインはそう呟くと、レノの背に身体を預けて目を閉じた。
次目覚めたときは、きっといつもと違う世界が広がっている――
ヒロインはそう夢見ていた。
「――行かせない」
地獄のような深い底から絞りだしたような声音に、ヒロインは身体を震わせた。
それと同時に感じた足への枷。
後ろに引っ張られたヒロインは、レノの背中から滑り落ちた。
激しい痛みがヒロインを襲う。
「ヒロインっ!」
異変に気付いたレノが振り返った。
「一緒に…死のう…‥」
何時の間に近くに来ていたのか、研究員がしっかりとヒロインの足を捕らえていた。
血走った目をした研究員の尋常ではない様子に、ヒロインはぞっとした。
「ヒロイン、手伸ばせ!」
ずるずると後ろに引きずられながら、ヒロインが必死に手を伸ばした。
レノもヒロインの手を掴もうとしたが、指先が触れただけで叶わなかった。
あの身体のどこにそんな力が残っていたのか不思議なぐらい、研究員はヒロインを引きずり素早く後退していく。
どんどん遠ざかる出口。
レノの表情にも焦りの色が浮かんだ。
「危ない!」
ヒロインの声が警告を発した。
しかしそれは一瞬遅く、ひび割れた地面に足を取られたレノがバランスを崩した。
ヒロインとの距離が広がる。
「ヒロイン!!」
ヒロインが、笑った。
瓦礫の降り注ぐ音が激しくなる。
しかし、確かにレノはヒロインが「ありがとう」と言ったのを耳にした。
瓦礫のカーテンは、完全に二人を遮った。
「ヒロイン!!」
レノの悲鳴だけが虚しく響いた。
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ヒロインはそう呟くと、レノの背に身体を預けて目を閉じた。
次目覚めたときは、きっといつもと違う世界が広がっている――
ヒロインはそう夢見ていた。
「――行かせない」
地獄のような深い底から絞りだしたような声音に、ヒロインは身体を震わせた。
それと同時に感じた足への枷。
後ろに引っ張られたヒロインは、レノの背中から滑り落ちた。
激しい痛みがヒロインを襲う。
「ヒロインっ!」
異変に気付いたレノが振り返った。
「一緒に…死のう…‥」
何時の間に近くに来ていたのか、研究員がしっかりとヒロインの足を捕らえていた。
血走った目をした研究員の尋常ではない様子に、ヒロインはぞっとした。
「ヒロイン、手伸ばせ!」
ずるずると後ろに引きずられながら、ヒロインが必死に手を伸ばした。
レノもヒロインの手を掴もうとしたが、指先が触れただけで叶わなかった。
あの身体のどこにそんな力が残っていたのか不思議なぐらい、研究員はヒロインを引きずり素早く後退していく。
どんどん遠ざかる出口。
レノの表情にも焦りの色が浮かんだ。
「危ない!」
ヒロインの声が警告を発した。
しかしそれは一瞬遅く、ひび割れた地面に足を取られたレノがバランスを崩した。
ヒロインとの距離が広がる。
「ヒロイン!!」
ヒロインが、笑った。
瓦礫の降り注ぐ音が激しくなる。
しかし、確かにレノはヒロインが「ありがとう」と言ったのを耳にした。
瓦礫のカーテンは、完全に二人を遮った。
「ヒロイン!!」
レノの悲鳴だけが虚しく響いた。
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